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生活保護制度の基礎の基礎-基本原理

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平成18年10月18日(水):初稿
○「突然の老父扶養の問い合わせがあった場合」に記載したように、たまにですが、生活保護関連する相談があり、生活保護制度の基本を知る必要性を感じ、「目で見る社会保障法教材第3版」を購入しておりましたが、最近、第一法規発行「保護のてびき平成18年版」をたまたま目にして購入しました。僅か69頁に要領よく生活保護制度が説明されていたからで、私の備忘録として内容を紹介します。

○我が国の公的扶助制度は古くは大宝律令(701年)に萌芽が見られ、江戸時代の御救金・御救米といった難民救済制度から、近代的公的扶助は明治7年の「恤救規則」、昭和4年の救護法で確立しましたが、この法律は国家責任の規定を欠く不十分なものでした。

○昭和20年終戦後は、戦災者、引揚者、失業者が急増し、臨時的措置として「生活困窮者緊急生活援護要綱」が制定され、昭和21年9月旧生活保護法、昭和25年現行生活保護法が制定され、我が国の公的扶助の中核をなす生活保護制度が確立しました。

○生活保護制度は、憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」との生存権の実現をめざすために制定されたもので生活保護法第1条は「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。」と規定しています。

○生活保護制度の基本原理は、①国家責任による最低生活の保障、②保護請求権無差別平等の原理、③健康で文化的な最低生活保障の原理、④保護の補足性の原理の4つです。

○①国家責任による最低生活の保障は読んで字の如くですが、②保護請求権無差別平等の原理とは、全て国民は、生活困窮の事実があれば、その原因等は一切問わず、素行不良や怠惰によって困窮しても保護されるというものです。③健康で文化的な最低生活保障の原理は読んで字の如くですが、④保護の補足性の原理とは、生活保護法第4条で「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。2 民法(明治29年法律第89号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。」と規定されています。

○④の生活保護の補足性についての具体的問題は、土地家屋、自動車、カラーテレビ等を所持しながら、生活保護を受けられるかと言う形で出て来ますが、現在はカラーテレビの所持は原則認められ、土地家屋・自動車はケースバイケースで認められることもあるようです。
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