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R 8- 3-14(土):東島威史氏著”不夜脳 脳がほしがる本当の休息”紹介-脳の鍛え方前半
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○「東島威史氏著”不夜脳 脳がほしがる本当の休息”紹介-脳の休息・睡眠」の続きで、第3章「疲労しらずの脳の鍛え方」前半の備忘録です。

・歳をとっても「鍛えられる」脳
脳の可塑性とは、形を変えて、そのまま痕跡が残ると言う意味
脳は「筋トレ」できる-しかも筋肉より肥大は早い
脳機能の源はアストロサイト-脳の骨格で、ニューロンへの電気信号コントロール
運動野の神経は筋肉とつながっているだけ-どの筋肉ともつながる
脳が新たな機能を獲得するとは新たな神経接続が起こっていること
いろいろなことをやればやるほど脳の様々な部分が肥大し、若々しい脳を保つ

・疲れない脳を「運動」で鍛える
有酸素運動でBDNF(脳由来神経栄養因子、タンパク質)を出し、脳を鍛える
BDNFは、神経細胞の成長やシナプスの可塑性を促し、記憶力や学習能力の維持に欠かせない
読書・語学の習得等知的刺激で、シナプスの新たなネットワークづくりが促進され、BDNFが増加
特に効果的なのは、有酸素運動やリズミカルな全身運動

・骨を刺激する「ジャンプ」で記憶力改善
骨から血中に放出されるオステオカルシンというホルモンは、骨と脳をつなぐ神経伝達物質をアシスト
早足ウォーキング・ジャンプ・筋トレで骨に刺激を与えオステオカルシンを分泌させ記憶力を増強する
オステオカルシンで分泌が促進されるモノに精巣のテストステロンがある

・ヘトヘトな脳は「自分を食べて」再生
脳・脊髄の神経細胞(ニューロン)が「軸索」経由で電気信号を送り体とコミュニケーションをとっている
軸索を包むミエリン(絶縁体)に含まれる脂肪は脳のエネルギー不足寺に燃料として食べられる-ミエリンは脳の予備エネルギータンクの役割

・疲れない脳を「食べ方」で鍛える
現代人の最も多い死因は「食べ過ぎ」と「運動不足」
生物は「飢餓」がデフォルトで「満腹」は異常事態
「甘いもの」は脳の疲れを癒やさない
認知症予防は糖尿病予防-長期の高血糖状態で脳のシナプスネットワークが減少し脳血管が傷つき認知機能低下の可能性-脳に糖分は不要で大敵
飢餓状態で生ずるケトン体で脳と心臓は極端な飢餓状態でも生き延びる

・脳に「くるみ」がいい理由
脳には「糖分」の代わりに「くるみ」がいいのは、オメガ3脂肪酸が神経細胞膜・シナプスの材料になり、抗酸化物質・ポリフェノールで脳の炎症を抑え、記憶・学習機能に良いから
以上:973文字
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R 8- 3-13(金):祖父母養子縁組を理由に実父の養育費支払の定めを変えない家裁審判紹介
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○「祖父母養子縁組を理由に実父の養育費支払の定めを取消した高裁決定紹介」の続きで、その原審の令和4年9月29日千葉家裁審判(判例タイムズ1521号120頁、判例時報2639号74頁)全文を紹介します。

○申立人と相手方との間において、調停離婚に際して行われた養育費に関する合意により、申立人が相手方に支払うべきものとされた未成年者の養育費(未成年者が満22歳に達した翌年の3月まで1か月15万円)につき、申立人がその減額を求めました。

○これに対し、原審審判は、申立人の収入は令和2年の給与収入よりは減少していることが認められるが、その減少幅はごく僅かであり、申立人が独立を選択せざるを得ないほどに給与が減少していたとは認められず、また、Iの代表取締役及び株主は、いずれも申立人とKの2名であり、Kが申立人の意向を受けて、Iが申立人に支払う給与ないし役員報酬を調整することは十分に考えられ、さらに、経営状態が安定してくるのは、まだこれからであると考えられることからすると現在の同社の経営状態が継続することを前提とすることはできず、改定標準算定方式に基づいて作成された養育費・婚姻費用の算定表により未成年者の養育費を算定すると、前件調停条項により合意された養育費の額(月額15万円)の約93.3%に相当するから、申立人の主張する事情をすべて考慮しても、本件において、未成年者の養育費の額に影響を及ぼすべき事情の変更は認められないとして、本件申立てを却下しました。

○祖父母との養子縁組については、一般的に,未成熟の子が養子縁組をした場合には養親が第一次的扶養義務者となり,実親は,養親が十分に扶養義務を履行できないときに限りその義務を負担すると言われているのは,権利者,すなわち,当該未成熟の子の親権者が再婚し,その再婚相手と養子縁組した場合を想定した解釈であり、満82歳母方祖父と満78歳の母方祖母は該当しないとしました。

*********************************************

主   文
1 本件申立てを却下する。
2 手続費用は各自の負担とする。

理   由
第1 事案の概要

 申立人と相手方との間において,調停離婚に際して行われた養育費に関する合意により,申立人が相手方に支払うべきものとされた未成年者の養育費(未成年者が満22歳に達した翌年の3月まで1か月15万円)につき,申立人がその減額を求めた事案である。

第2 当裁判所の判断
1 認定事実

(1)申立人(昭和50年*月*日生)と相手方(昭和51年*月*日生)は,平成17年1月1日に婚姻し,平成21年*月*日に長女である未成年者をもうけたが,平成27年9月18日,未成年者の親権者を相手方と定めて調停離婚した(甲35,乙1)。

(2)上記調停離婚に際し,申立人と相手方は,未成年者の養育費として,申立人が相手方に対し,同月から未成年者が満22歳に達した翌年の3月まで1か月15万円を支払うことを合意した(乙1。以下「前件調停条項」という。)。

(3)未成年者は,平成28年7月12日,相手方の両親であるF(昭和15年*月*日生。以下「母方祖父」という。)及びG(昭和18年*月*日生。以下「母方祖母」という。)と養子縁組をした(甲3,乙3)。

(4)申立人は,平成29年9月19日からH(旧姓○○。昭和52年*月*日生。以下「H」という。)と同居を始め,平成31年1月4日,同人と婚姻した。両者の間に子はいない(甲35,45)。

(5)申立人は,令和3年3月までは株式会社○○(以下「前勤務先」という。)に勤務する給与所得者であり,令和2年には1672万0629円の給与収入を得ていた(甲33,47)が,令和3年3月限りで同社を辞め,同年4月から,同年3月31日に設立したI株式会社(以下「I」という。)の代表取締役として就労を始めた(乙4)。
 申立人の同年の給与収入は441万0315円(ただし,前勤務先からの給与収入350万円を含む。),営業等収入は303万7500円(令和3年7月から12月までのJ報酬180万円を含む。),申立人の令和3年の営業等所得は154万0677円であり,青色申告特別控除額は65万円,社会保険料控除は58万2578円であった(甲31,32)。
 他方,Hは,令和2年当時収入がなかった(甲36)。

(6)相手方は,D有限会社(平成7年から母方祖父が代表取締役を,母方祖母が取締役をそれぞれ務める会社であり,相手方も令和3年2月1日から同社の取締役を務めている。以下「D」という。)に勤務し,令和3年には同社から300万円の給与収入を得たほか,同年中に12万5600円の不動産所得があった(甲8,乙8)。
 なお,相手方の令和3年の青色申告特別控除額は10万円,社会保険料控除は36万7422円であった(乙8)。

(7)申立人は,令和3年11月11日,相手方に対し,前件調停条項で合意した養育費の減額を求めて調停を申し立てた(当裁判所令和3年(家イ)第1447号)が,令和4年7月12日,調停不成立となり,本件審判手続に移行した。

2 検討
(1)総論
 申立人と相手方は,調停離婚に際し,未成年者の養育費の支払について前件調停条項のとおり合意している。
 もっとも,家庭裁判所は,扶養関係に関する協議又は審判がされた場合であっても,その協議又は審判の基礎とされた事情に変更が生じ,従前の協議又は審判の内容が実情に適合せず相当性を欠くに至った場合には,事情の変更があったものとして,その内容の変更又は取消しをすることができる。
 そこで,前件調停条項のとおり合意された時点から,事情の変更があったといえるか否かにつき検討する。

(2)申立人の主張
 申立人は,
〔1〕未成年者が母方祖父及び母方祖母と養子縁組をしたため,申立人は現在第一次的扶養義務者ではない,
〔2〕申立人は転職により収入が減少した一方,相手方はDでの勤務を始め収入が増加した,
〔3〕申立人は再婚し,再婚相手である無収入のHを扶養している,
として,上記(1)の事情の変更があった旨主張する。

 このうち,上記〔1〕については,一般的に,未成熟の子が養子縁組をした場合には養親が第一次的扶養義務者となり,実親は,養親が十分に扶養義務を履行できないときに限りその義務を負担すると言われているのは,権利者,すなわち,当該未成熟の子の親権者が再婚し,その再婚相手と養子縁組した場合を想定した解釈であり(甲12,42,43),また,第一次的扶養義務者となる養親が,いわゆる生産年齢(15歳以上64歳以下)であること,あるいは,これを外れている場合であっても,少なくとも当面は就労を継続できる蓋然性が認められることを当然の前提としていると解すべきである。

しかし,これを本件についてみると,未成年者が養子縁組をしたことは認められるが,その養親となったのは満82歳の母方祖父と満78歳の母方祖母であって,上記解釈が想定する事案と異なる上,両名の年齢からすると,両名は生産年齢を大きく外れ,当面就労を継続できる蓋然性があるともいい難いものといわざるを得ない。

 したがって,未成年者と母方祖父及び母方祖母との養子縁組により,申立人が第一次的扶養義務を免れた旨の申立人の上記〔1〕の主張は,採用することができない。
 また,上記〔3〕についても,令和2年当時,Hに収入がなかったことは認められるものの,申立人とHとの間に子はなく,これ以外にHが就労できない事情があるともうかがわれない本件においては,同人に潜在的稼働能力もないとして,Hの生活費指数を考慮すること,すなわち,申立人がHを扶養していることにより未成年者に対する養育費の支払を減額することが相当であるとは認められない。したがって,申立人の上記〔3〕の主張も,採用することができない。

 他方,上記〔2〕については,申立人が転職し,その収入の額が,少なくとも確定申告書等の記載からすると大きく減少していること,相手方が申立人との離婚後就職し,その収入が増加していると認められることからすると,上記(1)の事情の変更があったといえるか否かは,当事者双方の総収入を認定し,これをもとに養育費の額を具体的に算定してみないと判断できない(なお,養育費の算定においては,父母双方の総収入に基づいてその負担を決するという考え方を基本として,迅速に算定する必要があることから,理論値に基づく公租公課,統計資料に基づく推計される特別経費等により判断する,いわゆる改定標準算定方式・改定算定表(司法研修所編「養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究」(一般財団法人法曹会)参照)の考え方により算定することが相当である。)。そこで,まず,当事者双方の具体的な収入の額について検討する。

(3)申立人の収入額
ア 令和3年4月以降の実収入をもとに算定した額
 前記認定事実によれば,申立人は令和3年4月に転職し,同月以降の総収入は,Iからの給与収入90万円を年換算した120万円(90万円÷9×12)と,営業等所得をもとに算定することになる。営業等所得については,確定申告書記載の営業等所得154万0677円に青色申告特別控除額65万円を加え,さらに確定申告書記載の営業等所得にはJ報酬(月額30万円)が6か月分しか含まれていないが,同年7月以降継続してJ報酬が支払われていることからすると,これが支払われなかった3か月分についても加算して算定することが相当であるから,上記3か月分のJ報酬90万円を加えた309万0677円を年換算した412万0903円(309万0677円÷9×12。ただし,1円未満四捨五入。以下同じ。)を事業所得と認定するのが相当である(なお,確定申告書による場合,その社会保険料控除欄の記載は給与所得から控除された社会保険料の額であるから,これを控除すべきではない。)。

 上記事業所得を給与収入の額に換算するには,「1-(職業費の割合)」で除する必要があるところ,改定標準算定方式では職業費の割合は概ね15%とされているから,令和3年4月以降の申立人の総収入(給与収入としての額)は,上記事業所得を「1-0.15」で除した484万8121円(412万0903円÷(1-0.15))を前記給与収入120万円に加えた604万8121円となる。

イ 上記アの総収入額を用いることの相当性
 相手方は,申立人が前勤務先を辞めて独立することに制約はないが,現在の状況を見る限り独立する際の見立てが十分であったとはうかがわれず,独立及びその後の経営のリスクを未成年者に負わせるべきでないこと,申立人はIの代表取締役であり,収入額をその意思で変更できる立場であることからすると,養育費を算定するに当たっては,令和3年の実収入を基準とするのではなく,転職前(令和2年当時)を基準とすべきであると主張する。

 これに対し,申立人は,前勤務先の売上げをけん引していた当時の代表取締役が令和2年9月末に退任し(甲46,47),前勤務先の経営状況が悪化して申立人の給与も下げられることになったため,独立を選択せざるを得なくなったものであるし、Iの代表取締役は申立人だけでなく,申立外K(以下「K」という。)も同社の代表取締役であり(乙4),同社の株主も申立人とKの2名である(甲13)ため,申立人の一存でその収入額を変更することはできないと主張する。

 そこで検討するに,申立人が前勤務先を退職する直前の令和3年1月から3月までの給与収入の額(350万円)を年換算すると1400万円となり,令和2年の給与収入よりは減少していることが認められるが,上記認定した令和3年4月以降の総収入に比べると,その減少幅はごく僅かであり,申立人が独立を選択せざるを得ないほどに給与が減少していたとは認められない。また,Iの代表取締役及び株主は,いずれも申立人とKの2名であり,申立人のいわゆるワンマン会社とまではいえないものの,Iにおける両名の立場はほぼ同等であって(甲13~17によれば,保有株式数もJとしての報酬額も同一である。),Kが申立人の意向を受けて,Iが申立人に支払う給与ないし役員報酬を調整することは十分に考えられる。 

 申立人は,Iの経営状態からすると,申立人に支払われている給与は相当額であるとも主張するが,Iは令和3年3月に設立されたばかりであり,経営状態が安定してくるのは,まだこれからであると考えられることからすると,現在の同社の経営状態が継続することを前提とすることはできない。

ウ 小括
 以上によれば,申立人の総収入につき,令和3年4月以降の実収入をもとに算定することは相当でなく,少なくとも令和3年1月から3月までの前勤務先からの給与収入350万円を年換算した1400万円を基準とするのが相当である。

(4)相手方の収入額
 前件調停条項を合意するに際し,相手方の総収入をいくらと見積もったかについては,当事者間に争いがあるが,現時点の総収入は,令和3年の給与収入及び不動産所得をもとに算定すると,不動産所得12万5600円に青色申告特別控除額10万円を加えて給与収入額に換算した26万5412円((12万5600円+10万円)÷(1-0.15))を給与収入に加えた326万5412円となる。

(5)検討
 上記(3),(4)の当事者双方の収入額をもとに,改定標準算定方式に基づいて作成された養育費・婚姻費用の算定表により未成年者の養育費を算定すると,12~14万円の範囲と14~16万円の範囲の境界線上に該当し,未成年者の養育費の額はおおむね月額14万円程度と算定される。この算定額は,前件調停条項により合意された養育費の額(月額15万円)の約93.3%に相当し,その差額からすると,前記(1)の事情の変更があったと認めることはできない。
 したがって,申立人の前記〔2〕の主張も,採用することができない。

(6)まとめ
 以上のとおり,申立人の主張する事情を全て考慮しても,本件において,未成年者の養育費の額に影響を及ぼすべき事情の変更は認められない。

3 結語
 よって,前件調停条項において合意された養育費の額を変更すべき事情は認められず,申立人の本件申立てには理由がないから,これを却下することとし,主文のとおり審判する。
裁判官 鈴木雄輔
以上:5,883文字
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R 8- 3-12(木):祖父母養子縁組を理由に実父の養育費支払の定めを取消した高裁決定紹介
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○元夫である抗告人(原審申立人)が、元妻である相手方(原審相手方)に対し、夫婦関係調整調停事件及び面会交流調停事件(前件調停事件)において、平成27年9月18日成立した調停の調停条項3項の、抗告人が相手方に対し当事者間の子である未成年者の養育費として平成27年9月以降月額15万円を支払うとの定めについて、相手方妻の父母すなわち祖父母と子が養子縁組をしたことや、抗告人の収入が減ったことなどの事情変更を理由として、令和3年11月以降の支払を定める部分について取り消すことを求めました。

○原審千葉家裁は、未成年者が祖父母(監護親の父母)と養子縁組をしたことなどを養育費の額に影響を及ぼすべき事情の変更に当たらないとして、抗告人の本件申立てを却下するとの審判をしたため、抗告人元夫が即時抗告しました。

○これに対し、母方祖父母は、本件養子縁組により、同居の孫である未成年者を養子としたところ、未成年者に対する扶養義務は、第一次的には養親が負い、非親権者である実親は、養親が無資力その他の理由で十分に扶養義務を履行できないときに限り、次順位で扶養義務を負うものと解されるから、本件養子縁組により抗告人が第一次的な扶養義務者ではなくなったとの事情変更により、前件調停での抗告人が相手方に対して未成年者の養育費として月額15万円を支払うとの定めを取り消すのが相当であるとして、原審判を取り消し、前件調停事件で成立した養育費の支払の定めを取り消した令和5年6月13日東京高裁決定(判タ1521号118頁、判時2639号71頁)関連部分を紹介します。

○裁判所が,相手方に対し,祖父母の年収が分かる資料及び資産の全体を記載した陳述書等の資料の提出を求めたにもかかわらず,何らの資料が提出されなかったことから養親である母方祖父母は,無資力その他の理由により十分に未成年者の扶養義務を履行することができないと認めることはできないとしました。祖父母は結構な収入があると思われます。

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主   文
1 原審判を取り消す。
2 当事者間の千葉家庭裁判所市川出張所平成26年(家イ)第1089号夫婦関係調整調停事件及び平成27年(家イ)第136号面会交流調停事件について平成27年9月18日に成立した調停の調停条項3項に基づき,抗告人が相手方に対して未成年者の養育費として月額15万円を支払うとの定めにつき,令和3年11月以降の支払を定める部分について,取り消す。
3 手続費用は,第1,2審とも,各自の負担とする。

理   由
第1 事案の概要等
(以下,略称は,特記しない限り,原審判の例による。)
1 本件は,元夫である抗告人(原審申立人)が,元妻である相手方(原審相手方)に対し,千葉家庭裁判所市川出張所平成26年(家イ)第1089号夫婦関係調整調停事件及び平成27年(家イ)第136号面会交流調停事件(以下併せて「前件調停事件」という。)において,平成27年9月18日成立した調停の調停条項(以下「前件調停条項」という。)3項の,抗告人が相手方に対し当事者間の子である未成年者の養育費として平成27年9月以降月額15万円を支払うとの定めにつき,令和3年11月以降の支払を定める部分について取り消すことを求める事案である。

2 原審は,抗告人の本件申立てを却下するとの審判をした。そこで,抗告人が,原審判を不服として即時抗告した。

3 本件抗告の趣旨は別紙抗告状に、本件抗告の理由は同抗告理由書及び同抗告人準備書面(1)に各記載のとおりであり,相手方の意見は同相手方準備書面(5)に記載のとおりである。 

第2 当裁判所の判断
1 当裁判所は,当事者間の前件調停事件に係る前件調停条項3項に基づき,抗告人が相手方に対して未成年者の養育費として月額15万円を支払うとの定めにつき,令和3年11月以降の支払を定める部分について取り消すのが相当であると判断する。その理由は,原審判を次のとおり補正するほかは,原審判「理由」第2の1及び2に記載のとおりであるから,これを引用する。

(1)原審判1頁23行目から同24行目にかけての「未成年者をもうけたが,」の次に「抗告人において,他の女性と不貞関係となり,家庭を顧みなかったことなどもあり,相手方において,平成26年7月,未成年者を連れて抗告人と同居していた自宅を出,相手方肩書住所地所在の相手方の両親宅(以下「母方祖父母宅」という。)に転居して抗告人と別居した後,」を加え,同25行目の「甲35,乙1」を「甲35,乙1,14,15,手続の全趣旨」に改める。

     (中略)

(7)原審判3頁14行目冒頭から同7頁22行目までを以下のとおり改める。
 「(2)本件養子縁組について
ア 母方祖父母は,本件養子縁組により,同居の孫である未成年者を養子としたところ,一般に,未成年者との養子縁組には,子の養育を全面的に引き受ける意思が含まれると解される上,未成年者養子制度の目的からいっても,未成年者に対する扶養義務は,第一次的には養親が負い,非親権者である実親は,養親が無資力その他の理由で十分に扶養義務を履行できないときに限り,次順位で扶養義務を負うものと解される。

 これを本件について見るに,母方祖父母は,25年以上にわたり,不動産の委託管理,駐車場の経営等を目的とする同族会社であるDの代表取締役又は取締役を務め,その本店及び母方祖父母宅の敷地である土地を共有し,Dは,E内に宅地を所有していることは,前記認定のとおりである上,当裁判所が,相手方に対し,母方祖父母の年収が分かる資料及び資産の全体を記載した陳述書等の資料の提出を求めたにもかかわらず,何らの資料が提出されなかったことからすると,養親である母方祖父母は,無資力その他の理由により十分に未成年者の扶養義務を履行することができないと認めることはできず,他にこれを認めるに足りる資料はない。

 以上によれば,本件養子縁組により,未成年者に対する第一次的な扶養義務者は,養親である母方祖父母となり,未成年者の実父である抗告人は,第一次的な扶養義務者ではなくなったことが認められる上,養親である母方祖父母が無資力その他の理由により十分に扶養義務を履行することができないときに当たるということもできないので,本件においては,前件調停条項3項の基礎とされた事情に変更が生じ,当初の調停合意の内容が実情に適合せず相当性を欠くに至ったというべきである。

イ これに対し,相手方は,〔1〕養子縁組によって実親の扶養義務が消滅するのは,監護親である実親が再婚し,再婚相手と未成年者が養子縁組をして,実親,養親及び未成年者が家族を形成し,非監護親である実親の権利も義務も排除して子の養育を引き受ける場合を前提としており,祖父母や他の親類が養親となる場合は,実親の存在を排除していないこと,〔2〕本件養子縁組後も,相手方は実母として,抗告人からの養育費と自己の収入により未成年者を監護養育してきたことからすると,本件養子縁組をもって,養親である母方祖父母が未成年者の扶養義務を引き受けたと見ることはできず,本件養子縁組の事実は養育費を減額すべき事情の変更には当たらない旨主張する。

 しかしながら,上記〔1〕の点については,祖父母が未成年者である孫と養子縁組をする場合(民法798条ただし書)でも,未成年者は養父母の共同親権に服することになる以上(同法818条1項ないし3項),養父母は,法的には未成年者の扶養義務を全面的に引き受ける意思を表示したとみるのが自然であり,従前の非監護親である実親に対しては,養父母が無資力その他の理由で十分に扶養義務を履行できないときを除き,同順位での扶養義務の履行を求めるべき理由は見当たらない。

上記〔2〕の点についても,本件養子縁組当時,母方祖父は76歳,母方祖母は72歳であり,母方祖父母が,抗告人に対し,未成年者(当時7歳)の養育費の分担を事実上期待する意思を有していたとしても不自然ではないが,前記認定説示のとおり,本件においては,養親である母方祖父母が無資力その他の理由により十分に扶養義務を履行することができないときに当たると認めることができない以上,非監護親である実父に対し,養親である母方祖父母と同順位の扶養義務を課すことはできない。
 したがって,相手方の上記主張は採用することができない。

ウ 相手方は,相手方が,抗告人の不貞によって,心身に不調を来たして母方祖父母宅に戻った後,相手方に不慮の事故等があった場合に,母方祖父母に未成年者の面倒を見てもらうために本件養子縁組がされたという経緯からすれば,抗告人が本件養子縁組の事実をもって扶養義務を免れたと主張することは信義則に反するとも主張する。

 しかしながら,相手方が本件養子縁組をした趣旨や動機によって,未成年者に対して第一次的に扶養義務を負う者が変わるというのも相当とは解されないから,抗告人が本件養子縁組の事実をもって第一次的な扶養義務者ではなくなった旨主張することが,信義則に反するということはできない。
 したがって,相手方の上記主張も採用することができない。

(3)小括
 以上によれば,その余について判断するまでもなく,本件養子縁組により抗告人が第一次的な扶養義務者ではなくなったという事情の変更により,前件調停条項3項に基づき,抗告人が相手方に対して未成年者の養育費として月額15万円を支払うとの定めを取り消すのが相当である。
 その取消しの始期については,当事者間の公平や当事者の意向等に鑑み,抗告人が本件審判に移行する前の調停を申し立てた令和3年11月とするのが相当である。


2 その他,各当事者の主張に照らし,本件記録を検討しても,前記の認定判断を左右すべき事由は認められない。

第3 結論
 以上の次第で,抗告人の本件申立ては理由があるところ,これと異なり,抗告人の本件申立てを却下した原審判は相当でなく,本件抗告は理由があるから,原審判を取消した上,前件調停条項3項を本決定主文2項のとおり変更することとして,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 大竹昭彦 裁判官 武田美和子 裁判官 押野純)
以上:4,208文字
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R 8- 3-11(水):映画”ウィキッド 永遠の約束”を観て-途中睡魔、最後は気分良し
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○「映画”ウィキッド ふたりの魔女”を観て-兎に角映像が綺麗」に、「主人公「西の悪い魔女」が、そのように溶けて死んでしまうのか、さてどうなるかと固唾を飲んで観ていたら「To Be Continued」で終了し、二部作だったことに気付いて、ガッカリでした。現在、TOHOシネマズで、後編が映画「ウィキッド 永遠の約束」として封切り上映中で、無性に鑑賞したくなりました。」と記載していました。

○そこで、早速、令和8年3月10日(火)午前7時40分からTOHOシネマズ仙台アイマックス6番シアターで封切り上映中の映画「ウィキッド 永遠の約束」を鑑賞してきました。久しぶりのアイマックスシアター鑑賞です。映画コムでは「オズの国に隠された真実を知り、それぞれの道を歩むことになったエルファバとグリンダ。「悪い魔女」として悪名を着せられ民衆の敵となったエルファバは、言葉を奪われた動物たちの自由のために戦い続けていた。」と解説されています。

○大きなアイマックスシアターで観る映画「ウィキッド 永遠の約束」も映像は大変綺麗なモノでしたが、映画「ウィキッド ふたりの魔女」に比べて派手な立ち回りシーンが少なく、エルファバとグリンダの2人の魔女のくっついたり離れたりする過程がいまいち理解出来ず、時折、睡魔に襲われ、映画「ウィキッド ふたりの魔女」ほどの感動は得られませんでした。ただ、ラストにエルファバのまさかの生い立ちが明かされ、さらにどんでん返しとも言える結末に気分良く鑑賞を終えました。

○映画コムでは「2人の溝が深まっていく中、オズの国に突如現れた“カンザスから来た少女”によって運命は大きく動き出し、2人はかつてのかけがえのない友と向き合うことになる。」と解説されている、「カンザスから来た少女」すなわち映画「オズの魔法使」の主人公ドロシーの後ろ姿を観て、1939(昭和14)年製作の超古い映画を観たくなりAmazonで探すと、なんと、4KUHDソフトが発売されており、「映画ウィキッド二人の魔女を観て内容を確かめる為に購入、90年前の映画とは思えない鮮やかな色彩に驚きました。」とのレビューを見て、無性に鑑賞したくなり、早速、注文しました。

映画『ウィキッド 永遠の約束』特別映像 First Look<2026年3月より、全国ロードショー!>

以上:964文字
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R 8- 3-10(火):和田秀樹氏著”80歳の壁を越えた人たち”紹介-養老孟司氏編
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○「和田秀樹氏著”80歳の壁を越えた人たち”紹介-ちばてつや氏編」の続きで、第1章「人にも自分にも縛られず生きる」の解剖学者養老孟司氏(令和8年1月現在88歳)の紹介記事備忘録です。450万部を越えるベストセラー「バカの壁」の著者ですが、同著作は購入しましたが、殆ど読んでいません。少しばかり読んで相性が悪いと感じたからでした。

・医者の話は聞かない、普通に生活してりゃいい
今でもタバコを堂々と吸う
糖尿病で緊急入院しステントを入れられたが、入れてない時と生活状況は変わらない

・人に縛られない、自分のことも縛らない
人間のことに一生懸命にならない
年寄りは1人でいるほうが楽なことが多い
患者を診るのが嫌

・同調圧力は日本の民族性、でも嫌なら離れればいい
日本で過疎地と呼ばれる土地がヨーロッパでは普通
日本では人が寄り集まって長い間に同調圧力となった

・関わるも関わらないも自由、負担になるなら避けりゃいい
東大出身開業医はだいたい流行らない
嫌な人は付き合わなきゃいい、負担になることは避ける

・人間も自然の一部、そう考えると心は自由になる
人に合わせれば自然に年相応になるが、合わせないから年不相応
昆虫や自然に興味を持つと人間のことはどうでもよくなる

・無理をしない、かくあるべし思考は手放す
自分が無理している人は、人に無理させる
かくあるべし思考の人は、他人にもかくあるべしと押し付ける

・その時に好きなものを追いかける、情熱が人を輝かせる
屋久島にヒゲボソゾウムシの写真を撮りに行ったが会えなかった
コロナの時に虫取りに行かなかったのは運転手が居なかったから

・居心地のいい場所にいる、嫌なら去ればいい
居心地のいい、悪いは自分で決める
嫌だと感じたらさーっと居なくなる

・お金があるなら使う、使えば世の中回っていく
お金が自分のところだけに貯まるとダメだから常に全部使ってしまう
ゾウムシを入れる家に大変なお金を使っている

・「自分のおかげ」なんて思うな、世の中は勝手に回る
自分が何かしたからこの成果が得られたなんて考え方はやめたらいい
環境はいじったらうまくいくものではない、人間の手に余るので自然に任せる

・人間の脳を信じよ、自然は賢い
世界にある70億の脳を上手に使うべき

・数値に合わせるのが健康ではない、気分良く生きるのが健康
一番重要なことは「気分がいい」こと
人のことは放っておいて気楽に生きよう


以上:979文字
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R 8- 3- 9(月):映画”ウィキッド ふたりの魔女”を観て-兎に角映像が綺麗
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○令和8年3月7日(土)は、午後、最近入手した4KUHDソフトで2024(令和6)年製作映画「ウィキッド ふたりの魔女」を鑑賞しました。映画コムでは「名作児童文学「オズの魔法使い」に登場する魔女たちの知られざる物語を描き、2003年の初演から20年以上にわたり愛され続ける大ヒットブロードウェイミュージカル「ウィキッド」を映画化した2部作の前編。後に「オズの魔法使い」に登場する「西の悪い魔女」となるエルファバと、「善い魔女」となるグリンダの、始まりの物語を描いたファンタジーミュージカル。」と解説されています。

○「オズの魔法使い」は大昔、ビデオアニメで鑑賞した記憶はありますが、内容は忘却の彼方でした。映画「ウィキッド ふたりの魔女」は、「西の悪い魔女」が溶けて死んだとして、村人がお祭り騒ぎをするシーンから始まりますが、驚いたのは4KUHD映像の綺麗さでした。2年前の製作ですから、現時点で最高の高性能カメラで撮影していますので、4KUHD映像の美しさが、正に堪能でき、ストーリーはどうでも、綺麗な映像を観るだけで心地よい映画でした。

○ミュージカルとしては、音楽場面は少ない感じがしましたが、音楽場面だけでなく、音楽と一緒のダンス場面も、大いに楽しめました。後半、オズの魔法使いの陛下の居る宮殿についてからは、迫力の場面が続き、ハラハラドキドキの連続で、主人公「西の悪い魔女」が、そのように溶けて死んでしまうのか、さてどうなるかと固唾を飲んで観ていたら「To Be Continued」で終了し、二部作だったことに気付いて、ガッカリでした。現在、TOHOシネマズで、後編が映画「ウィキッド 永遠の約束」として封切り上映中で、無性に鑑賞したくなりました。

映画『ウィキッド ふたりの魔女』本予告<2025年3月7日(金)より、全国ロードショー!>


映画『ウィキッド 永遠の約束』特別映像 First Look<2026年3月より、全国ロードショー!>


以上:821文字
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R 8- 3- 8(日):婚姻費用過払部分について分割支払での精算を命じた高裁決定紹介
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○前件審判(平成27年*月*日付け)において夫が妻に対して支払うべき婚姻費用は,平成26年*月から平成27年*月までの間は月額10万円,同年*月以降は月額11万円と定められていた夫である抗告人が、妻である相手方に対して、婚姻費用を8万3000円に減額することを申し立て、原審で平成28年*月から婚姻解消まで月額9万円の支払を命じられ、抗告人夫が不服として控訴しました。

○これに対し、重要な事情の変更によって以前の審判が覆される以上、重要な事実に該当するか否かにかかわらず、すべての事情変更を基礎として変更後の婚姻費用を算定すべきであるから、扶養手当を返還する必要が生じる可能性があることも考慮すべきであるとする抗告人の主張について、返還の要否、返還すべき額及び返還すべき時期が未定の扶養手当を事情変更の基礎として考慮することはできないなどとして排しつつ、原審判を変更して、以前に確定した審判によって定められた抗告人が相手方に対して支払うべき婚姻費用を変更(減額)し、相手方に対し、抗告人に対して、既に受け取った婚姻費用のうち、超過した額の返還することを命じた平成29年7月12日福岡高裁決定(判タ1452号76頁、家庭の法と裁判18号92頁)関連部分を紹介します。

○この決定で重要な点は、抗告人夫による婚姻費用の支払を定めた前回審判後、相手方妻が給与収入を得るようになったことは婚姻費用を減額すべき事情の変更であるとして減額を認めた原審を相当とした上、原審の申立て時期に遡って婚姻費用を減額するため、同時期以降、抗告人が前件審判に従って支払った婚姻費用の過払部分につき、相手方に対し、同人の生活に配慮して分割支払による精算を命じたことです。

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主   文
1 原審判を次のとおり変更する。
(1)当事者間の長崎家庭裁判所佐世保支部平成27年(家)第*号婚姻費用分担申立事件において定められた婚姻費用について,平成28年*月以降,以下のとおり変更する。
 抗告人は,相手方に対し,平成28年*月から当事者双方が同居又は婚姻解消に至るまで,月額9万円を毎月末日限り支払え。
(2)相手方は,抗告人に対し,平成29年*月から同30年*月までの間,月額2万円を毎月末日限り支払え。
2 手続費用は,原審及び当審とも各自の負担とする。

理   由
第1 抗告の趣旨及び理由並びにこれに対する相手方の主張

 抗告の趣旨及び理由は,別紙「抗告状」、「抗告理由書」,「抗告人主張書面(1)」及び「抗告人主張書面(2)」に記載のとおりであり,これに対する相手方の主張は,別紙「相手方主張書面(1)」記載のとおりである。

第2 当裁判所の判断
1 婚姻費用分担額減額の要否及び減額後の分担額について

 当裁判所の認定判断は,次のほかは,原審判の「理由」欄の「2 事実の調査の結果により認められる事実経過」及び「3 当裁判所の判断」に記載のとおりであるから,これを引用する。 
(1)原審判の補正

     (中略)

(2)抗告理由に対する判断
ア 抗告人は,扶養手当の返還の要否及びその金額が未定であることは,相手方の責に帰すべき事由によるものであるから,抗告人の収入から扶養手当分が控除されるべきである(▲学校入校に伴う減収に,扶養手当年額39万円分の減収を併せ考慮すれば,568万1415円から15.6パーセントの減収となる)と主張する。

 一件記録によれば,抗告人が,相手方に対し,平成28年*月*日ころ,扶養手当の支給を中止する手続の必要書類につき連絡し,同年*月*日頃には,必要書類を抗告人の勤務先に直接送付したいとの相手方の希望に応じる旨回答するやり取りがあったものの(甲13),結局その後,相手方から必要書類の送付がなかった経緯が認められる。
 しかし,上記の事情を勘案しても,前記引用の原審判説示のとおり,返還をすべき額及び時期が未定であるのに,将来の返還を見越し,一定額を減額して過去の特定期間の抗告人の基礎収入を算定することはできない。

イ 抗告人は,重要な事情の変更によって以前の審判が覆される以上,重要な事情の変更に該当するか否かにかかわらず,全ての事情変更を基礎として変更後の婚姻費用を算定すべきであるから,扶養手当を返還する必要が生じる可能性があることも考慮されるべきであると主張する。

 しかし,返還の要否,返還すべき額及び返遠すべき時期が未定の扶養手当を考慮できないことは前示のとおりである。抗告人の主張には,上記の理由から▲学校入校中の現実の減少額を考慮すべきであるとの主張も含まれるとしても,本件では前記のとおり抗告人が▲学校に入校していた期間の減収が,ごく短期間のさほど大きな額ではないものである点に特に着目して,あえて減額事由から除外したものであり,抗告人の主張する判断手法と直ちに矛盾するものではない(なお,仮に,平成27年中の年収から扶養手当年額39万円分を引いたものに,その後の収入増を加味した金額を用いたとしても,月額9万円からの有意な減額が生じるわけではない。しかも,前記引用の原審判説示(補正後のもの)のとおり,本来,相手方の基礎収入を算定する際,障害基礎年金に関しては特別経費を通常より多めに控除すべきところ,適切な資料がないためこの点を基礎収入の額に具体的に反映できていないことも勘案するなら,仮に,▲学校入校中の婚姻費用分担額の算定において,抗告人の減収を考慮するとしても,当然に,相当な分担額が月額9万円未満になるとはいえない。)。

2 過払婚姻費用の精算について
 上記のとおり,平成28年*月分に遡って抗告人の婚姻費用分担額を減額することとなるので,抗告人が相手方に対して前件審判に従って支払った同月分以降の婚姻費用の一部(月額2万円)は,過払となり,その精算を要する。
 現時点で,過払額は,平成28年*月分から同29年*月分までの28万円となる。したがって,その返還を相手方に命じるのが相当である。


 ただし,即時に全額を支払うこととするのは,前件審判を前提として生活費を支出してきた相手方に酷であり,相手方において,今後,過払分を返還しながら生活を成り立たせていく必要がある点に配慮すべきである。このような事情に,減額後の婚姻費用額その他一切の事情を併せ考慮して,平成29年*月以降,月額2万円ずつを毎月末日限り支払うよう命じることとする。

3 よって,以上と一部異なる原審判を変更することとし,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 佐藤明 裁判官 足立正佳 裁判官 佐藤康平)

別紙 抗告状〈省略〉
抗告理由書〈省略〉
抗告人主張書面(1),(2)〈省略〉
相手方主張書面(1)〈省略〉
以上:2,780文字
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R 8- 3- 7(土):和田秀樹氏著”80歳の壁を越えた人たち”紹介-ちばてつや氏編
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○「和田秀樹氏著”80歳の壁を越えた人たち”紹介-帯津良一氏編」の続きで、第6章「人を想い、人に愛されて生きる」の漫画家ちばてつや氏(令和8年1月現在87歳)の紹介記事備忘録です。ちばてつや氏は誰でも知っている漫画「あしたのジョー」作者で知らない人は居ない有名漫画家の1人です。「あしたのジョー」は、週刊少年マガジンに1968(昭和43)年から1973(昭和48)年まで連載された漫画で、当時、高校生だった私も、熱心に読んでいました。

・まじめゆえの孤独、運動でスッキリ解放
漫画家はまじめで、人に任せられない人が多い
若い頃無茶苦茶やって体を壊し、精神的な病気もした
病気の原因が運動不足と分かってから、野球チームを作るなど運動に励む、仕事を続けるなら運動しなくちゃダメ

・毎日身体を動かす、お腹がすくからたくさん食べられる
できるだけ毎日運動を継続
奥様と30分から1時間くらい早朝テニス
その後朝飯をたくさん食べてから仕事にかかる

・人と付き合う、人を知って自分を知る
小学6年まで銭湯で女湯に入っていた
銭湯でいろんなタイプの人を見て障害のある人も描いたが、いまは描いてはいけなくなった
漫画家はガキっぽいひとが多い、それが漫画を描く感覚としては良い

・人の背景を汲む、すると愛が溢れて人からも愛される
身近な話しばかり描いている
脇役・悪役キャラクターも家庭関係、友人関係まで考えて描く
そのため本当の悪人が描けなくなり、どっかに救いを持たせる

・想いを繋いで生きる、それば文化になる
2024年漫画家初の文化勲章受章
勲章を貰えたのはたまたま長生きしたので漫画家代表として貰いに来いと言われた
20~30年前までは漫画は悪書と叩かれていた

・人間は長所も短所もある、個性を認めると楽になる
気に入らないと思った人も、話し込むと、人間性が分かってくる、長所も短所もみえてくる
人との関係でプレッシャーを感じたことはない

・座しての冷や汗はダメ、身体を動かして熱い汗をかく
キャッチボールをしたら体調不良の原因が運動不足を分かり、手塚治虫さんに野球をしましょうと声がけ
漫画家は締め切りに追われる冷や汗が多いが、運動して熱い汗をかいた方がいい

・声を出してリズムを作る、身体は声に反応する
「チャーシューメーン」と大声を出してゴルフをする、プロからアイデアを貰った

・外に出て自然に触れる、自然任せ、無理をしない
コロナ禍の時のマスクは漫画の邪魔
できるだけ外に出て日に当たりたい

・好き嫌いなくありがたく食べる、肉と魚をバランス良く


以上:1,038文字
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R 8- 3- 6(金):期間2年の不貞行為慰謝料として200万円を認めた地裁判決紹介
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○原告が、自身の配偶者Cと被告との不貞行為によって精神的苦痛を受けたなどと主張して、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、慰謝料500万円・弁護士費用50万円と遅延損害金の支払を求めました。

○被告は代理人弁護士を通じて不貞行為を認め、謝罪の意を示すとともに、慰謝料として100万円を支払う旨を伝えましたが、これを不服として提訴しました。

○これに対し、本件不貞行為に至るまでの間、原告と訴外Cの婚姻関係は、約13年間に及んでいたこと、本件不貞行為の当時、原告と訴外Cとの間には、未成年の子が2名いたこと(うち1名は未就学児)、本件不貞行為発覚後、訴外Cが子らを連れて原告と別居するに至り、婚姻関係は危機に瀕していることがうかがわれること、本件不貞行為は、約2年間にもわたって継続的に行われたものであることなど、本件に現れた一切の事情を考慮して、慰謝料200万円の支払と認めた令和6年10月22日東京地裁判決(LEX/DB)全文を紹介します。

○原告は、本件不貞行為がコロナ禍に行われたことをもって慰謝料の増額事由として主張したようにも解されるが、実害はなく、原告の不安感をもって、慰謝料を増額すべきとはいえないとしました。

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主   文
1 被告は、原告に対し、220万円及びこれに対する令和6年1月28日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は、これを10分し、その4を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り,仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求

 被告は、原告に対し、550万円及びこれに対する令和6年1月28日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 

第2 事案の概要等
1 事案の概要

 原告は、自身の配偶者と被告との不貞行為によって精神的苦痛を受けたなどと主張して、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として慰謝料等550万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(令和6年1月28日)から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求めている。

2 前提事実
(1)原告は、平成18年11月22日にC(以下「C」という。)と婚姻し、平成20年○○月○○日に長女Dを、平成29年○月○日に二女Eをそれぞれもうけた(甲1)。
(2)被告は、勤務先であるa協会で同協会に勤務するCと知合い、Cが既婚者であることを知りながら、少なくとも令和元年9月頃から令和3年9月頃までの間、Cとの間で、新宿歌舞伎町のラブホテル等において、継続的に不貞行為に及んだ(以下「本件不貞行為」という。当事者間に争いがない事実)。
(3)本件不貞行為発覚後の令和3年11月、Cは、子らを連れて自宅を出て原告と別居した(甲8、弁論の全趣旨)。

(4)その後、Cは、東京家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停を申し立てたが、令和5年7月に同調停は不成立により終了した(弁論の全趣旨)。
(5)原告は、原告訴訟代理人を通じて被告に対し、令和5年8月31日付け内容証明郵便(同年9月2日配達)により、本件不貞行為の慰謝料として500万円の支払を求める旨通知した(甲3の1、2)。
(6)被告は、被告訴訟代理人を通じて令和5年9月28日付け文書にて、本件不貞行為を認め、謝罪の意を示すとともに、慰謝料として100万円を支払う旨を伝えた(甲4)。

3 本件の争点は、損害額であり、これに関する当事者の主張は次のとおりである。
(1)原告の主張
 本件不貞行為により、原告の平穏な婚姻生活は破壊され、甚大な精神的苦痛を被った。その精神的苦痛を慰謝する額としては500万円をくだらない。
 また、原告は、弁護士に委任して本件訴えを提起せざるを得なかったから、弁護士費用のうち50万円が本件不貞行為と相当因果関係のある損害である。

(2)被告の認否
 否認し、争う。被告は、令和元年8月頃、Cから原告とは家庭内別居状態である等聞いており、原告と被告との婚姻関係の破綻の原因には、本件不貞行為のみならず、原告のCに対するモラルハラスメントがあった。

第3 当裁判所の判断
1 前提事実によれば、本件不貞行為に至るまでの間、原告とCの婚姻関係は、約13年間に及んでいたこと、本件不貞行為の当時、原告とCとの間には、未成年の子が2名いたこと(うち1名は、未就学児であったこと)、本件不貞行為発覚後、Cが子らを連れて原告と別居するに至り、離婚は成立していないものの、婚姻関係は危機に瀕していることがうかがわれること、本件不貞行為は、約2年間にもわたって継続的に行われたものであることが認められる。

そうすると、被告が被告訴訟代理人を通じて本件不貞行為の事実を認め、謝罪の上、一定額の慰謝料の支払を申し出るなどしていることを踏まえても、本件に現れた一切の事情を考慮すれば、被告が原告に支払うべき慰謝料の額については、200万円をもって相当とする。

なお、原告は、本件不貞行為がコロナ禍に行われたことをもって慰謝料の増額事由として主張しているようにも解されるが、本件不貞行為の行われた時期がコロナ禍にあったことによる実害が生じた事実はうかがわれず、原告の不安感をもって、慰謝料を増額すべきとはいえない。他方、被告は、本件不貞行為の開始前の令和元年8月頃の時点において、既に原告とCは家庭内別居状態であり、原告とCの婚姻関係は、本件不貞行為のみならず、原告のCに対するモラルハラスメントによって破綻したものであると主張し、これに沿う陳述(乙1)をするが、これを裏付ける客観的な証拠は全く提出されておらず、同陳述の内容もCからの伝聞にとどまっており、同主張を認めるに足りる的確な証拠とはいえない。そのほか、一件記録を精査しても、本件不貞行為開始時において、すでに原告とCの婚姻関係が原告のモラルハラスメントによって破綻の危機に瀕していたことを認めるに足りる証拠はない。

2 以上に述べたところを踏まえれば、本件不貞行為と相当因果関係のある弁護士費用は、20万円と認めるのが相当である。

第4 結論
 よって、原告の請求は主文掲記の限度で理由があるから、その限度で認容し、その余は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第25部 裁判官 鈴木優香子
以上:2,639文字
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R 8- 3- 5(木):共有不動産単独占有者に対し不当利得等支払義務を認めた最高裁判決紹介
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○原告(控訴人、上告人)が、被告ら(被控訴人、被上告人)に対して、所有権に基づき本件土地上の建物の収去及び土地の明渡し、収去等までの間の地代相当額の金員支払を求めたが原審で棄却され、上告しました。

○これに対し、原告は相続により取得した本件土地の共有者である被告らに対して本件各土地の地上建物の収去及び各土地の明渡しを当然には請求することができないが、原告は被告らの各占有により原告の持分に応じた使用が妨げられているとして被告らに対して持分割合に応じて占有部分に係る地代相当額の不当利得金ないし損害賠償金の支払を請求することはできると解すべきで、原審の金員支払に係る部分を破棄し、原告は相続取得の主張をしていないが原審としては適切に釈明権を行使するなどしてこれらを斟酌し請求の一部を認容すべきか審理判断すべきであるとして一部を差し戻した平成12年4月7日最高裁判決(判時1713号50頁、判タ1034号98頁)全文を紹介します。

○不動産の共有者は、当該不動産を単独で占有することができる権原がないのにこれを単独で占有している他の共有者に対し、自己の持分割合に応じて占有部分に係る賃料相当額の不当利得金ないし損害賠償金の支払を請求することができるとしたものです。

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主   文
原判決中上告人の被上告人Y1及び同Y2に対する金員支払請求に係る部分を破棄する。
前項の部分につき、本件を高松高等裁判所に差し戻す。
上告人の被上告人Y1及び同Y2に対するその余の上告並びに同Y3に対する上告を棄却する。
前項の上告費用は上告人の負担とする。

理   由
一 上告代理人○○○○の上告理由について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

二 職権により、原審の判断の適否につき判断する。
 本件訴訟において、上告人は、被上告人Y1に対し、原判決別紙家屋目録二記載の建物(以下「本件建物二」という。)の収去及び原判決別紙土地目録1、2記載の土地(以下「本件各土地」という。)のうち本件建物二の敷地部分の明渡し、右収去等までの間の地代相当額の金員の支払並びに本件各土地の登記済権利証の引渡しを、被上告人Y2に対し、右家屋目録一記載の建物(以下「本件建物一」という。)の収去及び本件各土地のうち本件建物一の敷地部分の明渡し並びに右収去等までの間の地代相当額の金員の支払を、被上告人Y3に対し、本件建物一からの退去を、それぞれ請求している。

その請求原因として、上告人は、
(1)上告人の亡夫であるAが昭和31年12月25日及び同33年3月18日に国有林の払下げを受けて本件各土地を取得し、同59年12月4日にAが死亡したことにより上告人がこれを相続により取得した、
(2)そうでないとしても、Bが前記各日に本件各土地の払下げを受け直ちにこれらをAに贈与し、Aの死亡により上告人がこれらを相続取得した、などと主張している。

被上告人らは、上告人の所有権取得を争い、被上告人Y1は、本件各土地の払下げを受けてこれを取得したのはCであり、被上告人Y2は、本件各土地の払下げを受けてこれを取得したのはBであると主張している。

原審は、上告人の右(1)の主張事実のうちAが本件各土地の払下げを受けたことは認められず、右(2)の主張事実のうち、本件各土地の払下げを受けてこれを取得したのがBであることは認められるが、BからAが贈与を受けたことは認められないとして、第一審判決のうち上告人の建物収去土地明渡し及び建物退去の請求を認めた部分を取消して、右請求及び原審で拡張した本件各土地の登記済権利証の引渡請求を棄却し、同判決のうち上告人の金員支払の請求を棄却した部分に対する上告人の控訴を棄却する趣旨の判決をした。

 しかしながら、原審は、Bが昭和42年5月22日に死亡したこと、Bには妻C並びにA、被上告人Y1及び同Y2の3人の子があったこと、Aが同59年12月4日に、Cが平成4年5月24日に、それぞれ死亡したこと、Bが昭和29年ないし30年に本件建物一及び本件建物二を建築してこれらを取得した上、同42年4月ころにCにこれらを贈与し、同53年4月10日にCから被控訴人Y2に本件建物一が同Y1に本件建物二が各贈与されたことを併せて認定している。

以上の事実によれば、特段の事情のない限り、Bの死亡に伴い、法定相続人の1人であるAが本件各土地の9分の2の持分を相続により取得したはずのものである。そうすると、上告人がAの右持分を相続により取得したというのであれば、上告人は、同様にB及びCの死亡に伴い本件各土地の持分を相続により取得した共有者である被上告人Y1及び同Y2に対して本件各土地の地上建物の収去及び本件各土地の明渡しを当然には請求することができず(最高裁昭和38年(オ)第1021号同41年5月19日第一小法廷判決・民集20巻五号947頁参照)、同Y1に本件各土地の登記済権利証の引渡しを請求することや同Y2の所有する本件建物一に居住している同佳生に対して退去を請求することもできないものというべきである。

しかし、同Y1及び同Y2が共有物である本件各土地の各一部を単独で占有することができる権原につき特段の主張、立証のない本件においては、上告人は、右占有により上告人の持分に応じた使用が妨げられているとして、右両名に対して、持分割合に応じて占有部分に係る地代相当額の不当利得金ないし損害賠償金の支払を請求することはできるものと解すべきである。

そして、上告人は右のBの死亡によるその持分の相続取得の主張をしていないが、原審としては、前記各事実を当事者の主張に基づいて確定した以上は、適切に釈明権を行使するなどした上でこれらをしんしゃくし、上告人の請求の一部を認容すべきであるかどうかについて審理判断すべきものである(最高裁平成7年(オ)第1562号同9年7月17日第一小法廷判決・裁判集民事183号1031頁参照)。そうすると,原審の前記判断には、法令の適用を誤る違法があるというべきであり、この違法が原判決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって、原判決のうち上告人の被上告人Y1及び同Y2に対する金員の支払請求に係る部分は破棄を免れず、右部分につき、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 河合伸一 裁判官 福田博 裁判官 北川弘治 裁判官 亀山継夫 裁判官 梶谷玄)
以上:2,811文字
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R 8- 3- 4(水):和田秀樹氏著”80歳の壁を越えた人たち”紹介-帯津良一氏編
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○「和田秀樹氏著”80歳の壁を越えた人たち”紹介-草野仁氏編」の続きで、第8章日々ときめいて、ご機嫌に生きるの帯津三敬病院名誉院長帯津良一医師の紹介記事備忘録です。帯津医師については、「”1日1分からはじめる65歳からのらくらく呼吸法&気功”紹介1」に、「帯津良一氏は、この著作を出版した2023(令和5)年11月当時87歳、まだまだ現役で週5日診察し、毎日晩酌を欠かさないそうです。月から金までは病院で診察、土日のいずれかは各地での講演が入り、残った日は雑誌連載記事や書籍の原稿書きで、1週間ほぼ休み無しの生活とのことです。」と紹介しています。

・今日が最後のつもりで生きる。だからお酒も毎日飲む
お酒は365日、60年以上毎日、最後の晩酌と思って飲んでいる
朝に生ビールを飲むこともある
働くのが大好き、何もない日が嫌い、正月休みが一番嫌い

・我慢なんかするな、機嫌よく、ときめいて生きる
ホテルに泊まると必ず朝から生ビールを飲むが、近頃、朝は出しませんと言われてガッカリ
貝原益軒好きなものは薬にあつべしを信じて好きな物しか食べない
好きなことをして美味しいと思うものを食べ、ときめいて生きるのが一番

・人生の幸せは後半にあり、ナイスエイジングのすすめ
いつでも死後の世界に呼ばれたら行こうと思い始めたら日々の生活が充実
老化には逆らえず、アンチエイジングでは無くナイスエイジング
人生の後半で、エンジンを吹かし、その勢いであの世に乗り込む

・病気を治すのは医師ではなく、ときめいて自然治癒力をアップ
患者さんとは心を通わせるのが一番で白衣も着ない、普段着にサンダル履き
医者と患者は同じ病気に向き合う仲間
病気を治すのはもともと人間が持っている自然治癒力、その最大の原動力はときめき

・好きなことをして生きる、希望や喜びがあると気力が湧く
82歳で肺がんが見つかってもタバコを吸い続けて92歳まで生きた人が居る
ガン患者で帯津氏の病院では酒が飲めそうだと来る人が居る
食道がん患者が飲みたそうなので、焼酎を与えて飲んで貰った

・好きなつまみで晩酌、その前に仕事も楽しくやる
お酒はビールとウイスキー、つまみは本マグロが一番好き、カツオのたたき、フグの三本柱
8時45分NHKニュース後就寝、午前3時30分に起き、朝5時前に病院へ行き仕事
朝6時に病院内道場で、7,8分太極拳を舞って40年

・患者と家族に笑顔を、生きる希望を与えられるのが医者
帯津医師の患者は帯津医師に会うのが楽しみになる
患者さんが診察室を出る時は立ち上がって「お大事に」というと、患者も「先生もお大事に」と返す
患者はここへ来ると何か元気になると言ってくれる

・たいていのことは放っておく、イライラしなくてすむ
私は昔から怒ることは無い、仏の帯っちゃんと呼ばれた
仏じゃ無くてほっとけ、
挨拶を無視され、親切にお礼が無くても全く気にしない、思い通りいかなくても気にしない

・自分らしく病気の中でも生きていく
アルコールによる肝障害数値は、正常値の5倍で、数値上は不健康
それでも毎日好きな物を食べ自由に晩酌を楽しんでいる
健康診断の結果は気にしない、あれは余計なお世話

・西洋医学は臓器を診る、私は生命全体を診る

・急いで死ぬことはないけれど、呼ばれたら喜んでいく

以上:1,333文字
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R 8- 3- 3(火):継続取引保証人の相続人の責任範囲に関する最高裁判決紹介
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○大変古い判例ですが、保証人の地位を相続した者の責任についての昭和37年11月9日最高裁判決(最高裁判所民事判例集16巻11号2270頁、判時322号24頁)全文を紹介します。

○被上告人が、上告人Y1及び亡Aは訴外Bの原告に対する売買代金債務につき連帯保証をしたとして、上告人Y1及び亡Aの相続人である上告人Y2に対し、保証債務の履行を請求した事例です。

○最高裁は、継続的売買取引について将来負担することあるべき債務についてした責任の限度額ならびに保証期間の定めのない連帯保証契約における保証人たる地位は、特段の事由のないかぎり、当事者その人と終始するものであつて、保証人の死亡後生じた債務については、相続人が保証債務を承継負担するものではないとして、原判決中上告人Y1敗訴部分を破棄し、同部分につき本件を原裁判所に差し戻しました。

○継続取引としての売買契約についての連帯保証人責任範囲を特段の事由のないかぎり、当事者その人と終始するものであつて、保証人の死亡後生じた債務については、その相続人においてこれが保証債務を負担するものではないとしました。これにより賃貸借契約の保証人の範囲についても、保証人の死亡後生じた債務については、相続人は負担しないとの解釈も可能になります。

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主   文
原判決中上告人Y1に関する部分を破棄し、右部分につき本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
上告人Y2の本件上告を棄却する。
前項の部分に関する上告費用は上告人Y2の負担とする。

理   由
 上告代理人○○○○の上告理由第一点について。
 被上告会社は、昭和25年12月1日から訴外BおよびC両名と、代金は毎月末払の約にて肥料の取引を始め、右取引に当り、爾後これによつて生ずる右両名の被上告会社に対して負担すべき債務につき、上告人Y2、訴外A、同D、同Eの4名においてこれを連帯保証したこと、そのうちD、Eは、Cの、上告人Y2、AはBの各連帯保証人であつたこと、昭和26年12月1日頃からは右Bが単独で被上告会社と取引を続け,上告人Y2およびAが依然として前記連帯保証人の地位にあつたこと、被上告会社が本訴で請求する100万円は、Bが右取引に関し昭和32年9月11日から同33年3月10日までの間に被上告会社に対して負担した301万1053円の肥料売掛代金債務の一部についての保証債務の履行を求めるものであること、Aは、右期間より以前である昭和32年6月7日すでに死亡し、同人の長男たる上告人Y1がその遺産につき3分の1の割合をもつて相続したものであることは、いずれも、原判決が確定した事実である。

 右事実関係のもとにおいては、上告人Y2の被上告人に対して負担する本件連帯保証債務に身元保証ニ関スル法律一条が準用され、その契約期間が保証契約成立の日より3箇年に限定されるべきであるとの所論は、ひつきよう、独自の見解というほかはなく、その他同上告人の債務をとくに制限した範囲に限るべき法律上の根拠も見出し難いから、右論旨は採用することができない。

 しかしながら、論旨が身元保証ニ関スル法律1条の準用を主張する趣旨は、要するに、本件保証債務が一定の限度に制限されるべきであるとの主張を包含するものと解すべきところ、按ずるに、前記原判示のような継続的取引について将来負担することあるべき債務についてした責任の限度額ならびに期間について定めのない連帯保証契約においては、特定の債務についてした通常の連帯保証の場合と異り、その責任の及ぶ範囲が極めて広汎となり、一に契約締結の当事者の人的信用関係を基礎とするものであるから、かかる保証人たる地位は、特段の事由のないかぎり、当事者その人と終始するものであつて、連帯保証人の死亡後生じた主債務については、その相続人においてこれが保証債務を承継負担するものではないと解するを相当とする。

されば、本件において、連帯保証人Aの死亡後、被上告会社とBとの取引によつて発生した主債務につき、特段の事由の存することを判示することなくして、漫然Aの相続人たる上告人Y1に連帯保証人としての支払義務あるものとした原判決は、本件連帯保証契約の性質を誤解したか、もしくは理由不備の違法があるものというべく、上告人Y1についての論旨は理由があり、論旨第二点についての判断をまつまでもなく、原判決中同上告人に関する部分は破棄を免れない。そして、前記の点について、なお本件は審理判断の要があるから、右部分につき本件を原裁判所に差し戻すことを相当とする。

 同第三点について。
 裁判所が証拠を排斥するについては、その理由を逐一判示する必要はなく(最高裁昭和32年6月11日第三小法廷判決、民集11巻1030頁参照)、原判決(第一審判決引用)の挙示する証拠によれば、原判示は首肯しうるから、論旨は理由がない。
 よつて、民訴407条、396条、384条、95条、89条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助 裁判官 草鹿浅之介)
以上:2,132文字
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