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平成19年 1月10日(水):初稿 |
○「キーワード「男女問題」検索結果等と男女問題一例」の事例の話を続けます。 Bさんは、服役中の夫Cさんが居ることを隠したまま、Aさんの結婚申込に応じて結婚の約束をして同棲生活に入りましたが、夫Cさんの出所の連絡を受け、Aさんに迷惑をかけられないとの思いで、Aさんとの同棲を解消して、姿を隠しました。 ○このようなBさんの行動は、Aさんに対する裏切りであることは間違いありません。先ず最初にAさんから交際を申し込まれ時、更に遅くても結婚を申し込まれ同棲を始める時、自分は結婚していることをAさんに告白すべきでした。そしてAさんとの結婚を真剣に考えるなら夫Cさんとの離婚手続を進め、Cさんとの夫婦関係を解消して同棲を始めるべきでした。 ○いずれにしてもBさんの行為はケジメのない無責任なものと評価されます。従って理屈上は、たとえBさんの結婚の真意が無く、婚約が成立しなくても、BさんのAさんに対する一連の行動は、Bさんを心から愛し、Bさんとの結婚を真剣に考え、結婚の申込をして、同棲生活を始め、Bさんとの結婚が実現すると夢見たAさんを心情を踏みにじるものであり、Aさんを弄んだとも評価すべきもので、その精神的苦痛に対する慰謝料請求が認められて然るべきとの考えも成り立ちます。 ○しかし今から20数年前の弁護士1年生の頃に、このAさんと似たような事案の相談を受けた私は、直感的に損害賠償請求までする事案ではないと思い、事件として受任しませんでした。私の回答は、1年間、事実上の楽しい結婚生活をして夢を見さして貰ったのだから、それで良いではないですか、それを損害賠償請求などしたら、たとえお金が取れても嫌な思いが残るだけですよ、と言うものでした。 ○当時は、現在の私の持論である男女・夫婦関係についての家庭学校論、家庭戦場論など構築しておりませんでしたが、Bさんに夫が居ることを推察できなかったAさんにも落ち度があるとの考えがあったからで、その後、男女問題実務を相当経験を積みましたが、今の私の感覚も同じで、このようなケースでは損害賠償請求事件としては受任しません。 ○勿論、Bさんが、交際中或いは同棲中にAさんから結婚を餌に多額の金品を受領しているような場合は別です。このケースでは、同棲中もBさんは仕事を続けて家計費も負担しており、Aさんに金銭上の加重負担はありませんでした。 ○このケースではAさんには気の毒ですが、Bさんの気持を完全に掴んで居なかったことがことが問題です。Bさんが本当にAさんを愛してAさんと一生添い遂げたいと思ったなら、Cさんとの夫婦関係にケジメをつけてAさんの元に来るはずです。ここまでBさんの気持を掴めなかったのだから潔く諦めるべきと言うのが私の感覚です。 以上:1,125文字
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