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平成19年 1月 9日(火):初稿 |
○「キーワード「男女問題」検索結果等と男女問題一例」で、「結婚を約束しての同棲を一方的に解消した相手に対する損害賠償請求」として、概ね、「独身男性Aさん(35歳)は、服役中の夫の居るBさん(32歳)を独身と信じて、2年前から付き合い、1年前から結婚を約束して同棲していたところ、同棲1年経過後にBさんが一方的に同棲を止めて家出し、その後は、Aさんの求婚を拒み続け、怒ったAさんがBさんに慰謝料請求したいと相談」をされた事例を紹介しました。 ○Aさんの言い分は、2人の間には固い結婚の約束があり婚約が成立し、この婚約を前提に1年間も同棲生活をしており、これを一方的に解消され、Bさんを心から愛していたAさんは、一時は自殺すら考えるほど大変な精神的苦痛を受けたのでこれに対し慰謝料請求をしたいとのことでした。 ○この相談に対する回答は、実は大変難しく、相談を受けた弁護士の人生観・結婚観等によって結論が異なり、又裁判になった場合も、裁判官の人生観・結婚観等によって判断が相当異なると思われ、これだという決め手はありません。 ○先ず、このAさんとBさんの間に婚約が成立したかどうかが、問題になります。「婚姻予約(婚約)成立要件について」、「婚姻予約成立要件の誠心誠意の約束とは」で述べたとおり、結納などの形式は必要なく当事者間に誠心誠意結婚の約束があれば婚約が成立しますが、誠心誠意の結婚の約束は単に内心の意思に留まっていたのではダメで、両親・友人等への報告などある程度の公然性が要求されています。 ○ここで難しいのはBさんの意思で、Bさんは服役中の夫Cさんとの夫婦関係をどのように考えていたのか問題になります。BさんはCさんとは離婚する意思でCさんも離婚やむなしと考え、BC間の夫婦関係が完全に破綻し、このことをAさんに対し、全て告白し、その上で、Aさんと結婚の約束をして、同棲生活に入ったとすれば、Aさんとの婚約、更には内縁関係の成立も認められる可能性があり、この場合は、AさんのBさんに対する慰謝料請求が認められる可能性も大いにあります。 ○しかしBさんがCさんとの夫婦関係を継続する意思で、Aさんとの同棲は、Cさんが出所するまでの一時的なものと考えていたとすれば、Aさんとの婚姻意思はなく、婚約も内縁関係も成立しません。Bさんは、Aさんに対し独身と称し、夫Cさんのことは全く話していませんでした。そこでBさんは、夫Cさんの予定より早い出所の連絡を受け、Aさんに迷惑をかけてはいけないと考えAさんの元を離れました。この経過を見るとBさんには、Aさんと結婚するとの完全な意思は無かったようにも見えます(後日に続く)。 以上:1,096文字
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