平成17年 7月18日(月):初稿 |
○昨日は、貸付金の許容利率が、出資法では業務貸付で29.2%、利息制限法では18%と紹介しました。 出資法違反の貸付は5年以下の懲役と1000万円以下の罰金という犯罪行為に該当するので、民事上無効であることは勿論、不法原因給付として返還を求めることが出来ません。従ってやみ金から借りた金は、利息は勿論、元金も返さなくてよいのです。 ○利息制限法違反の利息約定は民事上無効であり、利息制限法制限超過部分利息は返済する必要が無く、支払済み分は、元金が残っている場合は、元金に充当して遡って元金を減額し、元金債務完済後更に支払った利息分は、過払い金として返還を求めることが出来ます。 ○私が弁護士になった昭和55年は出資法制限利率109.5%時代で月8分なんて高利が当たり前の時代でした。 弁護士1年目秋の仙台市役所無料法律相談担当をしたとき、70歳前後のA老人が相談に来ましたが、相談中ずっと下を向いて、顔上げて私を見ることが出来ない人でした。 ○Aさんはサラ金30社近くに500万円近い債務を抱えて毎日借金取りに追われる生活をしていたため正にお天道様に顔向けできず顔を上げることが出来ず、いつも下向きの「暗い」顔を続けていたのです。 ○このAさんが私のサラ金事件第1号になりました。サラ金各社に受任通知を出して直接本人への交渉を禁止し、過去の取引関係を調査すると、殆どのサラ金債務が利息制限法を超える違法利息を元本に充当すると元金は残っていませんでした。 ○そこでAさんの債権者の各サラ金業者に債務不存在で支払拒否通知を出して債務整理を終えましたが、いわゆる町の高利貸しB業者に10年近くに渡って月8分もの高利を支払続け、利息制限法所定利率での元本充当計算をすると300万円程の過払いになっていました。 ○そこで私はAさんの代理人として昭和56年、B業者相手に過払い金約300万円返還の訴えを提起しました。勿論、月8分もの高利をとる業者は領収証など出しませんから、返済の事実は記憶でしか立証できません。 Bは裁判所に出頭し、月8分の利息の受領を否認しましたが、最後は裁判所の説得もあり、100万円の返済義務を認め、毎月10万円ずつ10回に分割して返済するとの和解をしました。 ○この裁判が私の過払い金返還訴訟第1号になりましたが、Aさんのサラ金債務整理事件をきっかけに私はサラ金事件に積極的に取り組むようになりました。Aさんとその家族が次々に依頼者を紹介してくれたからです。過払い訴訟の相手方Bも裁判終了後依頼者を紹介してきました。 (この話後日に続けます) 以上:1,059文字
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