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改正民法-要式化と貸金等根保証契約新設

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平成17年 7月16日(土):初稿
○先日の東北大学法学研究科河上正二教授の改正された民法の保証制度のポイントについて私の備忘録を残します。
保証契約の要式化
第446条2項保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
民法レベルで効力発生に書面作成を要求した初めての規定。

貸金等根保証契約の個人保証人の責任
債務整理の事業に「貸金等根保証新条文」を加えましたので、ご参照下さい。この条文の新設が今回の改正の最大の目玉です。
これは主に商工ローンにおいて保証人が予測不能な責任を負わされ社会問題になったことを受けて保証人の責任範囲を明確にするため新設された規定です。
貸金等根保証契約の要件(456条の2第1項)
根保証契約であること-一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする
②主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれること
注意すべきは、主たる債務が継続売買取引の売買代金債務のみであれば規制対象外だが、その中に貸金等債務を入れると規制の対象になり連帯保証人との合意が全て無効となる場合が生じること
個人を保証人とするものであること

具体的規制内容
(1)極度額の定めがないと無効
元本・利息・違約金・損害金等一切を含んだ極度額について書面による極度額の合意がないと無効

(2)保証期間の制限
元本確定期日の定めが無い場合は、契約締結日から3年経過する日が元本確定期日。
契約締結から5年後の日より後の日を元本確定期日とする定めは無効。例えば6年後と定めた場合、その定めは無効となり、定めがない場合になるので、契約締結日から3年を経過する日が元本確定期日。

当初定めた元本確定日の変更は、変更日から5年後の日より後の日を元本確定期日とする定めは無効。例えば6年後と定めた場合、3年後となるのではなく全て無効。
但し、例外的に「元本確定期日の前2ヶ月」の時期に更新をする場合、当初元本確定期日から5年後の応答日を変更後の元本確定期日にすることは可能(465条の3第3項但し書き)

当初の契約に契約期間の自動更新条項を定めても無効。改めて書面による合意が無い限り更新はされない。

(3)元本確定事由
主たる債務者又は保証人について、①債権者が金銭債権について強制執行または担保権実効申立をしてその財産差押、②破産手続開始決定、③死亡のいずれかがあれば元本は確定する。

(4)保証人が法人である貸金等債務の根保証契約の求償権
以上の規制は、法人が保証人になって、その法人が主たる債務者に対して取得する求償権について個人が保証人になっている場合(県保証協会や商工ローンの保証会社との求償権保証契約が典型)、その個人を主たる債務者の直接保証人になっている場合と同様に適用される。

以上:1,104文字

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