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映画「鬼畜」を観て-名優緒形拳氏を偲んで2

平成20年10月 9日(木):初稿
○昭和53年秋の司法修習生時代に現在のサンモール一番町の青葉通りと南町通りの間,丸善の向かいにあった松竹ビル5階の松竹映画館で映画「鬼畜」の封切り後まもなく鑑賞しました。尚、丸善も現在は一番町から仙台駅前アエルに移転しております。

○私は中学3年の頃、松本清張「点と線」を読んで感激し、以来清張ファンを自認し、結構な数の松本清張推理小説を読んでおり、また緒形拳氏は好きな俳優の1人で、特に映画「砂の器」には格別の思い入れがあったので、同じ野村芳太郎監督作品と言うこともあり期待して映画「鬼畜」を見に行きました。

○鑑賞して確かに感動はしたのですが、「砂の器」程の大感動はなく、さほど繰り返し観たいという気にはなりませんでした。DVD「鬼畜」の帯には「妹と弟は父ちゃんが殺した こんどはボクの番かな」と言う衝撃的キャッチフレーズが記載されていますが、父親が自己保身のため我が子を殺めようとする陰惨な話の内容のため私の深層心理で拒否反応が起こり、再鑑賞意欲が抑えられたものと思われます。

○名優緒形拳氏の突然の訃報を聞いて「鬼畜」を30年ぶりに鑑賞しましたが、各シーンの大部分が忘却の彼方で私の記憶力の弱さを痛感しました。強く印象に残っていたのは愛人役の小川真由美氏との強烈な濡れ場とばかり思っていましたが、ふたを開けてみると小川氏との濡れ場は大したことが無く、妻役の岩下志麻氏との濡れ場の方が強烈でした。

○残念ながら大女優岩下志麻氏の露出部分は大変少ないのですが,その迫力は十分で、さすが濡れ場役は天下一品と評価されているだけあると感じました。緒形拳氏と小川氏との濡れ場は、昭和54年封切り映画「復讐するは我にあり」との記憶違いだったようです(^^;)。

○気弱ながら調子の良い主人公竹下宗吉は緒形拳氏のはまり役であり、冒頭部分の愛人小川真由美氏と妻岩下志麻氏との凄まじい遣り取りの中で翻弄されるシーンは、面白可笑しくて笑いながら観ていましたが、愛人が去って3人の子供が取り残され妻から虐待され始めてからは気が重くなってきます。

○妻岩下志麻氏の迫力は凄まじく気弱な調子者の緒形拳氏演ずる宗吉が引きづられ表情も徐々に険しいものに変化しついには我が子を殺めようとするに至るまでの微妙な精神状態の変化を緒形拳氏は見事に演じ、さすが名優の誉れ高さを実感させてくれました。強く印象に残ったのは、能登の宿で眠った我が子を相手に自らの辛い過去を独り言で話すシーンです。全く記憶に残っていませんでしたが,このシーンで、人は受けた愛情が深ければ与える愛情も深くなるもので,その逆の場合の哀れさを実感しました。
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