平成19年 1月 4日(木):初稿 |
○平成19年1月3日、私自身の正月休みの最後に数年ぶりに映画「砂の器」を観ました。ヨドバシ仙台店初売りで東芝HDDVDプレイヤーHD-XF2を購入し、自宅AVルームに設置し、取り敢えず平成16年8月に購入していたシャープ液晶テレビLC-45GD1にHDMI端子で繋いで待望の「HDDVD版砂の器」を初めて観ました。 ○HDDVDとは、High-Definition Digital Versatile Discの略称であり、東芝とNECが共同で開発している次世代DVD(光ディスク)の規格を言いますが、要するにハイビジョン版DVDで、HD-XF2とLC-45GD1を組み合わせて1920×1080(横×縦)のフルスペックハイビジョンを写すことが出来ます。 ○私が最初に「砂の器」を観たのは大学時代の昭和49年で、目茶苦茶感動したことを覚えております。昭和63年暮れに念願の自宅AVルームを完成させ、三菱三管プロジェクターLVP1200で放映する120インチ大画面で、夜な夜な映画鑑賞に耽っていた私は、確か平成元年頃でしたが「LD版砂の器」が発売されると早速購入し、繰り返し観ては感動・感激の涙を流していました。 ○「砂の器」のクライマックスは後半の父子が放浪の旅に出る回想シーンから始まります。少年本浦秀夫が登場し、何かをジッと見つめるその目を見ただけで、もう目がウルウルし始めます。有名な亀嵩駅での父子の別れのシーン、また父本浦千代吉が、今西刑事から成長して和賀英良となった子本浦秀夫の写真を見せられ、「こんな人、知らねー」と泣き崩れるシーンには、ただただ涙ボロボロでした。 ○その後DVD時代になり平成14年にDVD版が出たときも直ちに購入して観て以来、数年ぶりの鑑賞でしたが、流石HDDVD、おそらく映画館で見ると同じ或いはそれ以上の解像度と思われます。以前、観たときは、本浦秀夫が7歳の時別れて以来30年近く経た時期に、しかも映画館に飾ってあった集合写真の一人として写っていたに過ぎない和賀英良という名の人物を、大人になった本浦秀夫かも知れないと、どうして三木元巡査が識別できたか、その理由がイマイチ判りませんでした。しかし、今回のハイビジョン版ではその理由が納得できました。 ○松本清張原作小説「砂の器」も30年以上前に繰り返し読んでいましたが、こちらは冷酷非情な殺人鬼の犯人探しのミステリーに過ぎませんでした。しかしこの脚本橋本忍・山田洋次、監督野村芳太郎の映画「砂の器」は単なる犯人探しのミステリーではなく、宿命を背負った父子とこの父子に関わる善良を絵に描いたような巡査の細やかな情愛をテーマに取り入れ人間ドラマとして大きく膨らませています。 ○巧みなカメラワークで日本海や山陰の自然の美しさと調和させた父子の巡礼シーンは何度観ても胸を打たれ、やっぱりこの映画「砂の器」は私にとって最高の映画だと改めて確信しました。 以上:1,202文字
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