平成16年 9月 1日(水):初稿 平成17年 1月 8日(土):更新 |
事業整理基本方針私は、事業債務整理事件においては、原則として任意整理で処理し、破産手続は取りません。 その理由は、費用と時間がかかり、迅速で柔軟な整理が出来ないことに尽きます。 迅速で柔軟な整理のために私は、 ①受任通知に事業整理用債権残高調査書を添付し、債務整理についての債権者各位のご意見をお伺いし、債権者各位の殆どが弁護士の任意整理に任せるとのご意向を確認します。 これまでの経験では、10社の内8~9社は「弁護士の任意整理に任せる」を選択してくれました。 ②債権者より特に債権者集会を開催せよとのご意見が多く出されない限り債権者集会は開催しません。 特に配当が殆ど無いかごく僅かしかないとの報告をするためにわざわざ債権者各位に足を運んで貰うのは全く無駄で失礼だからです。 ③当初受任通知発送の段階で債務者会社の財務内容を可能な限り詳しく説明する資産負債概要説明書を作成添付します。 この点が債権者各位の最大の関心事だからです。 ④受任通知発送と同時に、売掛金等の債務者各位に債務支払のお願いを発送し、迅速に債権回収等資産処分にかかります。 早期配当が債権者各位の最大のご要望だからです。 ⑤労働者債権を最も重視し、未納労働債権の支払を公租公課債権より優先します。 倒産によって職を失う従業員の生活確保が最も重要だからです。 ⑥代表者について必要がある場合、自己破産手続きを取りますが、老齢で財産が年金位しかない場合、破産手続きは取りません。 この場合、破産手続を取る意味が無く、無駄だからです。 以上の、倒産に至る経緯と事情を詳しく説明する受任通知や、倒産会社の財務内容を説明する資産負債概要説明書の作成は、破産手続において破産管財人が第1回債権者集会で報告する内容に近い程度に詳しい書面作ります。 短時間にこれらの書面をつくることが結構大変な作業で、倒産事件を受任して通知を出す場合は、事務員達も残業で午前様が続く状況となります。 そこでこれらの書面を出来る限り合理的に迅速に作る体制を準備しておかなければなりません。 それが以下に述べる桐による事業債務整理通知書式システムです。 事業整理手続きの具体的手順受任通知書セット作成 私は、任意整理事件を受任すると、速やかに ①第1回通知(受任通知)、 ②お詫び状、 ③資産負債概要説明書 ④債権残高等調査書と言うアンケート形式債権届出書、 の4点セットに 必要に応じて ⑤物件引取願書 ⑥債務支払願い書 を原則FAXで送付しますが、この①乃至⑥の書類を作成するのに桐の各種機能をフル活用しております。 第1回通知(受任通知) 先ず①受任通知記載項目としては、 過去売上、 従業員状況、 創業経緯・事業内容、 倒産に至る経緯、 今後方針、 備考 等の各項目があります。 創業経緯・事業内容、倒産に至る経緯等は、倒産書式という別表を、表引きではなく入力支援ボタンのモーダルフォーム呼出という機能を使って呼び出し、その事件に最適な書式を入力して、必要箇所を変えて作成します。 創業経緯・事業内容の入力画面は次のようになります。 基本型、長期継続型等の書式が出てきますので、その事案に合う書式を選択してクリック一つで貼り付け、必要な加除訂正を加えます。 次に倒産に至る経緯等の入力画面は次のようになります。 売上減少高利金融利用型、連鎖倒産型等の書式が出てきますので、その事案に合う書式を選択してクリック一つで貼り付け、必要な加除訂正を加えます。 今後方針と言う項目は、当初より定型書式を自動入力して必要箇所を変えて作成し、兎に角、一度入力済みの書式データを有効活用しています。 以上のようにして次のような通知書が出来ます(サンプルファイルなので加除訂正をしておりません)。 これを印刷用レポート画面にすると次のようになります。 1頁目 2頁目 以上:1,563文字
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