平成17年 9月21日(水):初稿 |
○先日、ある銀行ローンとその他のクレジット債務についての債務整理事件で、住宅ローン債権者の銀行と電話で住宅ローン返済期間の延長交渉した際に、銀行担当者から、そのお客様には住宅ローンの外にカードローンがありますが、こちらの返済についてはこれまで通りでよいのでしょうかと問われました。 ○その依頼者からは、銀行の住宅ローンとその他のクレジット債務数件の債務の任意整理を依頼されていましたが、住宅ローンを負う銀行にカードローンがあることは聞かされていませんでした。そこで、銀行担当者にカードローン内容について質問すると、カードローン債務整理の依頼をされていない弁護士に内容を教えられないので、弁護士の方でお客様から直接確認して下さいとのことでした。 ○この銀行担当者の態度は極めて適正なものであり、依頼者からカードローンの存在について聞かされていなかった当方の不手際です。多重債務の任意債務整理事件は良く受任していますが、これは自己の収入の範囲内で約定通りの支払が不可能になり、弁護士に依頼して、各債務について支払期間の延長による毎月の支払金額減額交渉をするものです。 ○自己の収入の範囲内で支払可能な金額での合計返済額を決めるわけですから、毎月支払が必要な全債務を明らかにして依頼されないと任意債務整理は成り立ちません。と言うのは例えばこれまでは住宅ローンを毎月7万円、その他のクレジット債務合計10万円の合計17万円の支払が必要のところ、収入は毎月25万円で約定の支払が出来ないと言うことで毎月支払可能な10万円以内の支払で済むように交渉して欲しいと依頼されるからです。 ○従って毎月支払可能返済額の決定が重要であり、弁護士は本人の生活状況を見て毎月支払額が9万円程度あれば支払可能と判断した場合、銀行・クレジット会社と債務減額交渉をし、例えば住宅ローンは毎月5万円、クレジット債務は合計毎月4万円の総合計9万円の支払での長期分割支払契約を締結しますが、弁護士に話していないカードローンの返済が毎月3万円もあったとすれば合計12万円支払が必要となり債務整理の前提が狂ってしまいます。 ○このような例は希にあり、従前は銀行担当者はその他にもカードローンがあると内容も教示してくれたのですが個人情報保護法が施行されてからは、情報管理が大変厳しくなりました。各種照会手続を取っても個人情報保護法を盾に情報開示されない例が増えています。 ○これまで個人情報保護法については殆ど不勉強でしたが、本日、九士会で個人情報保護法概要レポートを担当したこともあり、条文読みから始まって勉強をしております。この更新情報に備忘録として要点を記載していきたいと思っております。(この話題後日に続けます。) 以上:1,126文字
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