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平成17年 3月19日(土):初稿 |
第4節 営業秘密侵害訴訟 1 原告の主張・立証 (1)営業秘密 (a)はじめに 4号規定 (b)有用性 経済的な利用価値のある秘密、あるいは法的保護を行うに足りる社会的意義と必要性がある秘密のみを保護対象とする趣旨である。 (問題点)ネガティブ情報は、有用性が認められるか。 (c)秘密管理性 秘密は管理されるものであるし、保護すべき秘密であれば管理されなければならないという趣旨 管理は、物理的な管理のみならず、規範的な管理でもよい。 (d)非公知性 非公知でなければ、秘密とはいえない。 (問題点)リバースエンジニアリングできるものは非公知といえるか。 製品を解析して容易に製造することができない場合には保護されるべき技術上の秘密である(判例)。 特殊な技術を持って相当期間が必要であり、誰でも容易に情報を知ることができない場合には公知化したことにはならない(行政解釈)。 (2)侵害行為 (a)窃取等の不正取得行為(不正競争2条1項4号) 不正な手段で秘密を入手し、あるいはそれによって入手した秘密を使用または開示する 入手者と使用者は同一であることを要する (b)不正取得後の悪意転得行為(不正競争2条1項5号) 不正行為の介在があったことにつき、悪意ないし重過失があって秘密を取得し、またはこれを使用あるいは開示すること(贓物故買みたいな形態) 悪意または重過失の有無は、取得時において問題とされる (c)不正取得後の事後的悪意者の利用行為(不正競争2条1項6号) 営業秘密を取得した時点では、悪意でも重過失でもなかったが、その後に悪意または重過失になって、秘密を使用ないし開示すること(偽造通貨の知情後行使みたいな形態) (d)不正目的使用開示行為(不正競争2条1項7号) 不正な利益を得る目的あるいは損害を与える目的で、保有者から開示された秘密を使用または開示すること (問題点)従業員が職務上開発したノウハウ等の秘密は、使用者従業員どちらに帰属するか。それによって、一方使用者が本号違反に問われるおそれがある。 ex:(特許法35条)従業員 (著作権法15)使用者 (説1)秘密がどちらに類するかで分ける説 (反論)そう簡単に区分けできないだろう (説2)使用者を保有者と推定し、従業員の貢献度等を考慮する説 (見解1)そもそも保有者から開示された秘密には当たらない。 (e)不正開示後の悪意転得行為(不正競争2条1項8号) (b)の不正取得を不正開示に置き換えたようなもの 不正開示には、不正目的開示のみならず、守秘義務違反に反する開示も含まれる (f)不正開示後の事後的悪意者の利用行為(不正競争2条1項9号) (c)の不正取得を不正開示に置き換えたようなもの 2 被告の主張・立証 (1)被告の答弁 請求原因事実の否認 → 有用性、管理性、非公知性の否認 特定の人物が知っているだけでは、非公地性が失われたことにはならない (2)取引による善意転得者の権限内使用(被告の抗弁 その1) 12条1項6号 取引により秘密を取得し、かつ取引によって取得した権限の範囲内で使用ないし開示する場合には免責される(善意取得のような制度か) (3)時効及び保護期間の満了(被告の抗弁 その2) 継続的不法行為の特則 事実及び加害者を知ったときから3年-これは時効 侵害行為の開始から10年-これは除斥期間というのが通説 第5節 商品・役務の質量等に関する誤認惹起行為 1 原告の主張・立証 (1)はじめに (a)商品の原産地の出所地の誤認惹起行為 商品、その広告、取引に用いる書類ないし通信に、原産地に関して誤認されるような表示をし、あるいはその表示のされた商品を、譲渡、引渡、それらのための展示、輸出、輸入 (b)商品の品質等の誤認惹起行為 商品、その広告、取引に用いる書類ないし通信に、商品の品質、内容、製造方法、用途もしくは数量を誤認させるような表示をし、あるいは(a)と同じ行為をする (c)役務の質、内容等の誤認惹起行為 商品だけでなく、役務についても同様に規制される (2)「商品」「役務」「広告」「取引書類」の概念 (a)「商品」・「役務」 商品とは原則有体物 役務とは事業者が業として提供するサービスをいう (b)「広告」 営利目的で公衆に対してなされる表示 (c)「取引書類」 注文書、見積書、送信文書その他一切(ただし、内部文書を除く) (3)「誤認させる表示」の意義 (a) 商品の原産地,出所地の誤認の惹起行為 直接表示のみならず間接表示(連想図案)でも該当する (b ) 商品の品質等誤認惹起行為 (c) 役務の質・内容に関する誤認 2 被告の主張・立証 (1)被告の答弁 表示等の正確性ないし公平性が保たれているかどうか (2)被告の抗弁 以上:1,927文字
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