平成19年 6月19日(火):初稿 |
○平成19年6月某日、都内のあるホテルに宿泊しました。午後3時頃、チェックインし、いつものように30分ほどかけてノートパソコンをランケーブルに繋ぐなど各種IT機器のセッティングをしました。その時は部屋の中に何の異常も感じ取ることは出来ませんでした。セッティング終了後、都内の某所にタクシーで出かけて、所定の用事を済ませて午後6時頃ホテルに帰り、部屋に戻りました。 ○ホテルの私の部屋は出かけたときと、一見、何も変わらないかに思いましたが、何か異様な雰囲気を感じました。程なくその異様な雰囲気の原因が判明しました。何と、部屋の中には見知らぬ侵入者が居たのです。その侵入者は、私が残した琥珀色の液体の中で苦しそうにバタバタ藻掻いています。私は、「なんだー、これはー!」と、思わず、大声を上げてしまいました。 ○よく見るとその生命体は、どっぷりと液体に顔を浸しながら、何とかその場から逃れようと、手足を懸命に動かし、藻掻いています。私は、都会のモダンな高層ホテルの一室には、全く似つかわしくないその光景に唖然としながら、為す術もなくその生命体をじっと見続けました。そして何故この生命体が、32階のこの部屋の中に侵入したのか懸命に考えました。 ○一体その生命体は、どこからこの高層ホテルの一室に侵入したのか、私は、部屋一杯に広がる窓を入念に点検し、更にバスルーム、トイレ等見回りましたが、どこにも侵入出来るような箇所は見あたりません。そのうちその生命体は、バタバタ藻掻いていた手足が動きが鈍くなり、やがて殆ど動かなくなりました。 ○私は、気分が悪くなり、その生命体と閉じこめられた琥珀色の液体と共に、部屋の外に出しドアの脇に置きました。いずれホテル従業員が気づいて処理してくれるだろうと思ったからです。しかし、翌朝になってもその生命体は、その琥珀の液体と共に、私の部屋のドアの脇に放置されたままで、しかもよく見るとまだ時折手足がかすかに動いています。 ○私は、フロントに行って驚くべき事の子細を告げて、気持ちが悪いので早く処理して欲しいと告げると、ホテルマンは、「えーっ」と驚きの声を上げ、「誠に申し訳ございません。早速、係の者を使わします。」と言って、まもなく、その生命体は撤去されました。 ○まもなく、ホテルの管理職と思われる方1名と2名の従業員が私の部屋を訪れ、平身低頭してお詫びされ、ホテルとしても初めての出来事で原因をシッカリ調査する必要があるので、連泊予定であったその部屋を移って欲しいとのことで、更に5階上の37階の部屋に移されました。 ○侵入者はどのようにして高層ホテルの一室に辿り着き、自らの生涯を終えたのか、全く不思議な出来事でしたが、その正体をカメラが捕らえておきました。 以上:1,128文字
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