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新(改正)破産法について

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平成16年12月21日(火):初稿 平成17年 5月15日(日):更新
○昨日は弁護士会館で裁判官・弁護士による改正破産法研修会がありました。来年1月1日から改正破産法が施行されますが、大幅改正で「新」破産法と言っても良い内容になっています。

○昨日の研修会は、破産事件担当の仙台地裁第4民事部の裁判官と仙台弁護士会改正破産法事件処理委員会のメンバーが10数回に渡り、破産法改正後の破産事件処理の運用のあり方について協議を重ねて作成した「破産申立マニュアル」を元に担当裁判官と弁護士が交互に講義してくれました。

○「破産申立マニュアル」は大変良く練られて書式も豊富で実務運用に役立つように工夫されており、これ一冊で改正後の破産申立手続は間に合うと思われる内容でした。

改正破産法についての研修は7月の日弁連主催研修を皮切りに、11月の東北弁連主催、今回の仙台弁護士会主催と3回受講して、大部中身が見えてきましたが、いつも納得がいかないのが、「自由財産」の範囲です。

○法務省による改正破産法解説によると、
ア自由財産(破産者が自ら管理処分し得る財産)の範囲の拡張
・破産者の経済生活の再生に資するよう,自由財産となる金銭の範囲を標準的な世帯の必要生計費の3か月分に拡張するとともに,裁判による自由財産の範囲の拡張を可能とする。

と説明されています。

○標準的な世帯の必要生計費の3か月分とは現金99万円です。破産申立時、現金として所持している99万円は自由財産として破産財団に組み入れる必要がない、要するに自由に使えますが、預金として持っている20万円は自由財産にはならず、破産財団に組み入れる、要するに破産管財人に渡さなければなりません。

○例えば破産申立時に給料40万円を現金で持っていれば自由財産、振込で預金として持っていれば自由にならなくなります。
そこで破産申立を決意したら預金は出来る限り払い戻して現金化しておけばよいかというと、申立直前の払戻現金は自由財産とは認めないとの扱いになるとのことで、この点破産相談を受けた場合どのようなアドバイスをすべきか弁護士としては悩むところとなります。

○しかし昨日の講義で、預貯金でも99万円までは自由財産拡張制度を利用すれば自由財産化出来る可能性が高いことも知りましたが、こんな面倒なことにしないで、預金であろうが現金であろうが一定額財産は自由財産とすべきと思っております。

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