平成27年 9月21日(月):初稿 |
○「交通事故損害賠償請求事件医療記録開示請求での手数料について2」を続けます。 この問題についての新聞記事を探したところ、元記事はリンク切れですが、保存しているサイトがあり、以下の読売新聞記事が見つかりました。 **************************************** カルテ開示「手数料は実費が基本」 2010年2月1日 読売新聞 患者や家族からカルテなど診療記録の開示を求められた際、病院側が徴収する手数料には、施設によって大きな差があることがわかり、識者からは、患者が利用しやすい範囲に抑えるべきとの指摘が出ている。 調査は、読売新聞が2009年11~12月、全国の大学病院と地域医療支援病院352施設に文書でアンケートした。186施設(回答率53%)から回答があった。 診療記録には、カルテのほか手術記録や処方せんなどがあり、受けた処置や薬など診療の中身がわかる。2005年4月の個人情報保護法施行で、開示は法的義務になった。ただし、費用は病院任せ。今回の調査では、3割の施設が手数料を徴収しており、無料から1万円まで差があった。 手数料1万円の慶大病院は「コメントを差し控える」とし、順天堂大病院は「開示には医師が立ち会うことにしており、中には何百枚というコピーが必要な人もいるので、人件費も考慮して決めた」と説明。埼玉医大病院は「分量が多いとコピーに手間がかかるので事務の手数料として徴収している」としている。 神奈川県茅ヶ崎市の会社員、松永康人さん(36)、小織さん(37)夫妻は慶大病院でカルテ開示を請求したところ、手数料として1万円、コピー代は別に1枚50円かかり、夫婦2人分のカルテを取るのに計2万2000円余かかった。「自分のカルテを見るのに1万円とは、高すぎませんか。一体何にそんなお金がかかるのでしょうか」と、疑問を投げかける。 カルテ開示問題に詳しい神奈川大法科大学院教授の森田明弁護士は「開示費用はコピー代など実費が基本で、利益が生じるような設定はすべきでない。手数料は数百円とか、実費として説明できる範囲に抑えるべきだ」と話している。 ◇ カルテ開示手数料を徴収する病院 (1000円以上、2009年11~12月、読売新聞調べ) <1万円台> 慶応大(東京)、順天堂大(同)、埼玉医大 <5000円台> 南東北福島、独協医大(栃木)、杏林大(東京)、昭和大(同)、済生会栗橋(埼玉)、関西医大枚方(大阪)、中国労災(広島)、浜の町(福岡)、南風(鹿児島) <3000円台> 岩手医大、石巻赤十字(宮城)、東邦大医療センター大森(東京)、慈恵医大(同)、東海大(神奈川)、済生会横浜市南部(同)、聖マリアンナ医大(同)、金沢医大(石川)※1、名古屋第一赤十字(愛知)、名古屋第二赤十字(同)、名古屋記念(同)、長野赤十字、山田赤十字(三重)、京都第一赤十字、兵庫医大、広島記念※2 <2000円台> 札幌社会保険総合(北海道)、仙台厚生(宮城)、取手協同(茨城)、前橋赤十字(群馬)、深谷赤十字(埼玉)※1、相模原協同(神奈川)、亀田総合(千葉)、松江赤十字(島根)、徳山医師会(山口)、松山赤十字(愛媛)、近森(高知)、戸畑共立(福岡)、小倉記念(同)、産業医大(同)、人吉総合(熊本) <1000円台> 旭川赤十字(北海道)、福井県済生会、聖隷浜松(静岡)、済生会松阪総合(三重)、大阪厚生年金、高松赤十字(香川)、高知赤十字、糸島医師会(福岡) 注)※1はコピーした場合、※2は閲覧1時間 *************************************** カルテ開示に高額手数料ダメ、指針改正へ 2010年8月31日22時02分 読売新聞 患者や家族からカルテの開示を求められた際、高額な手数料を求める医療機関があるため、厚生労働省は、実費のみの徴収とするよう、診療情報提供指針を改正する。 改正指針は9月にも都道府県を通じて医療機関に通知される。 カルテなど診療記録は、2005年4月の個人情報保護法施行で患者への開示が義務化された。しかし開示費用は医療機関まかせで、現行の指針は、「開示に要する費用を徴収することができる」としているだけ。中には、コピー代などの実費に加え、1万円、5000円など高額な手数料を徴収する病院があり、患者団体などから「手数料が高額では開示請求しにくくなる」と批判があった。 このため、厚労省は「診療情報の提供について医療機関の不適切な事例が見受けられる」(医事課)として指針の改正を検討。開示費用について「実費を勘案して合理的であると認められる範囲内の額としなければならない」との内容を指針に明記することにした。同時に、開示申請書に請求理由の記入欄を設けたり、理由を尋ねたりすることを不適切とする内容も盛り込む。 読売新聞が昨年11~12月、全国の主な病院に対し行った調査では、回答した186施設のうち36%(67施設)がコピー代以外に開示手数料を徴収していた。 **************************************** カルテ開示料、重点検査…厚労省 高額請求の病院、指導 (2014年10月6日 読売新聞) 患者のカルテ開示請求に、高額な手数料を求める医療機関があるため、厚生労働省は、立ち入り検査の重点項目に開示手数料を新たに盛り込み、指導強化に乗り出した。 個人情報保護法は医療機関にカルテ開示を義務づけているが、一部で高額な手数料が開示請求を阻害していると患者団体から指摘があり、改善を図る。 個人情報保護法は合理的な範囲で開示にかかる費用の請求も認めている。コピー代の請求という形が一般的だが、中には別に、1回5000円、1万円などと高額な手数料を求める医療機関もある。 厚労省は毎年度、医療法に基づく検査で重点的にチェックする項目をまとめ、検査を実施する都道府県などに通知している。先月、発出した通知では、開示手数料は「実費として合理的な額としなければならない」との内容を初めて留意点として加えた。 文部科学省が行った8月の調査によると、大学病院だけで16病院が5000円の手数料を徴収。3000円も6病院あった。コピーが1枚40~50円などと一般より高い病院もあった。 ********************************************** ○病院HPでカルテ開示手数料説明記事があるところを探しましたが、なかなか見つかりません。 福岡市民病院 診療録等の開示手数料は、どのくらい必要ですか。 診療録等の開示手数料は、無料です。 但し、診療録等の写しを希望される場合につきましては、実費をいただいております。 東北大学病院 4.患者様の権利について (ア) 個人情報の開示請求権について ① 患者様は所定の手続きのうえ,自己の個人情報の開示を請求することができます。なお、この開示請求には,必ずしも応じられない場合がありますのでご留意願います。 ② 患者様が個人情報の開示を請求する場合は,東北大学が定めた手数料及びコピー費の実費を納めていただきます。 ③ 開示請求に関する詳細については,下記担当係にお問い合わせ下さい。 東北労災病院 5.自らの診療記録の開示を求め、情報を得る権利があります。 仙台市立病院 記述なし 以上:3,012文字
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