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平成26年 7月 7日(月):初稿
○「各種画像検査の基礎」の続きです。
当事務所で扱っている交通事故訴訟の殆どは、後遺障害の争いです。交通事故による受傷後、被害者が苦しんでいる現在の症状が、後遺障害に該当するのかどうか、後遺障害に該当するとしても、交通事故による受傷と因果関係があるのかどうかが争いになります。自賠責認定では、後遺障害に該当しない、該当するとしてもせいぜい14級との認定について、いや12級だ、9級だと争いになります。また、後遺障害が存在するが、これと事故による受傷との間に因果関係がない、事故とは無関係だとして争いになります。

○この争いのいずれが正しいかを判断する最重要資料が、被害者が入院・通院した病院の医療記録です。当事務所では、後遺障害が争いになる事案の医療記録は、担当事務員が全て桐ファイルに転記入力します。これによって絞り込み、並べ替え等が可能になり分析がしやすくなるからです。電子カルテによるデジタルデータは、転記も楽ですが、手書きカルテの文字の転記は、何を書いているのか判別する作業が困難で結構労力がかかります。また、英文字データは原則として日本語訳をつけます。そして訴訟では、このデータを証拠として提出し、被害者側に有利な記述を強調する準備書面の材料とします。

○医療記録の中で、重要なことは、X線・MRI・CT写真等画像データの解析です。「MRI・CT写真の切り口用語解説」記載の通り、「当事務所会議室にはシャーカステンが置いてあり、最近は連日のようにシャーカステンにかざした各種画像と格闘し」、「各種画像についてシャーカステンに貼り付けた状態を再現すべくデジカメで撮影した画像データを「桐de!同時プリント」と称する写真撮影報告書作成システムに取り込んで、医師の助言を参考にした説明を加えて、できる限り判りやすく裁判官に伝える努力をしております。」。

○MRI写真には、T1強調画像とT2強調画像の2種がありますが、ある事件で、解析を依頼した医師が、両者を取り違えて解析したものをそのまま準備書面で主張したところ、被告保険会社からそのミスを厳しく指摘されて恥をかいたことがあります。MRI写真の読み方について医師でも専門でないと間違うことがあり、弁護士も勉強の必要があります。MRI解説専門書も結構発売されていますが、専門的すぎて理解が困難で、且つ、必要部分はごく僅かであるところ、1万数千円と高価で購入を躊躇していたところ、ネット上に判りやすい解説サイトを発見しました。

○それは、「Oral Radiology Web Text Book」の「MR(Magnetic resonance image)」と「医師国家試験のきちんとした解説 【コウメイ塾】 」の「とても分かりやすいMRIの話 | T1強調画像、T2強調画像とは?」とのページです。特に前者は、以下の画像から始まる動画での説明が大変判りやすく参考になります。これをシッカリ読めば、高価な参考書は不要です。ホントに有り難い時代になりました。これから、このサイトの記述を勉強して、弁護士として最低限必要なMRI写真に関する知識を付けていきたいと思っております。

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