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2023年05月16日発行第341号”自称弁護士”

令和 5年 5月17日(水):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの令和5年5月16日発行第341号”自称弁護士」をお届けします。

○国際政治学者として、マスコミでもひっぱりだこの女性は、夫が逮捕される以前から、大胆な発言・上から目線発言などで色々ネットを賑わせていたように記憶していますが、今回ネット検索して東京大学農学部出身は初めて知りました。経歴を見ると農学部卒業後、25歳で東京大学大学院・公共政策学教育部・専門修士課程卒業、29歳で東京大学大学院・法学政治学研究科・総合法政専攻博士課程卒業となっていますので、「国際政治学者」は単なる「自称」ではなさそうです。

○この「自称」ですが、「自称」弁護士は許されないでしょうが、弁護士資格のある人が、例えば離婚問題専門等の「離婚専門」等の「専門」表示は、弁護士会の広告規則や広告ガイドラインで原則として禁止とされています。ガイドラインでは「客観性が担保されないまま専門家、専門分野等の表示を許すことは、誤導のおそれがあり、国民の利益を害し、ひいては弁護士等に対する国民の信頼を損なうおそれがあるものであり、表示を控えるのが望ましい。」と微妙な表現で規制されています。

○しかし弁護士業界も、弁護士の大量生産と需要減少で不況業種となり、ど派手な宣伝・広告をする弁護士HPが激増しており、この広告ガイドライン規制はもはや有名無実と思われます。私も、あくまで客観性が担保されない「自称」ですがとの説明付で「自称男女問題専門」と「自称」していたこともありました(^^;)。「ニュースレター弁護士」と「自称」して良いかどうか悩む大山先生は大変良心的弁護士です(^^;)。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

”自称弁護士


国際政治学者として、マスコミでもひっぱりだこの女性がいましたよね。ところが、その人の夫が、太陽光発電事業に関連した横領罪で逮捕・起訴されると、その人まで散々叩かれ始めたのです。夫と一緒に犯罪行為をしていたというのなら、非難されてもやむを得ないでしょう。しかし、別にそういうわけでもないようです。普段のセレブっぽい生活が反感を買っています。「昼間からシャンパンを飲んでいるのがけしからん」みたいなことで攻撃している人もいました。「夫が横領したお金で、シャンパン飲んでたんだろう」みたいなノリです。

さらには、これまでの政治等への発言についても、「こんなけしからんことを言っていた」と非難する人もいます。面白いことに、こういった非難をする人は、男性に多かったようです。本人に勢いがあったときには何も言えなかったのに、ひとたび落ち目になったと判断するや、勇んで石を投げるような態度は、同じ男性として本当に恥ずかしく感じます。。。

そういった攻撃の中に、その方のキャリアについてのものもありました。つまり、「国際政治学者」と名乗ってはいるが、本人は農学部出身でアカデミックな背景はほとんどない。国際政治学者というのは、「自称」しているに過ぎないではないかといった非難です。この非難自体が正しいものかどうか、私には判断できません。確かに「学者」というのは「自称」できます。だからこそ「大学教授」みたいな地位が必要なのかもしれません。しかし、「そういうことは、夫が逮捕される前に言えよ!」と思ったのでした。

ということで、今回は「自称」について考察してみます。まず食品などの名称で、イメージが良い地名を「自称」するものがあります。別に「神戸」とは何の関係もないけれど、何となく受けが良さそうだから「神戸コロッケ」と名前を付けるみたいな感じです。うどんの「丸亀製麺」なんて有名です。こちらも丸亀とは、何の関係もないそうです。地名を商品に付ける場合、消費者をだますような表示はダメですが、イメージの良い地名を付けるのは認められているのです。

もっとも、ビジネスの世界でも「自称」してはいけないものはあります。たとえば、株式会社でないものは、株式会社と自称したら犯罪行為となります。個人商店の名称を、「大山株式会社」としてはいけないのです。会社を作るのが大変だった過去ならともかく、今みたいに簡単に会社が作れるご時世では、別に「自称株式会社」でも大して問題ないのではと思ってしまいます。

さらに「自称」について、考察?を続けます。被疑者が逮捕されたときの報道に、本人の職業について、「自称会社役員」「自称会社員」といった記述がなされることがあります。こういう記事は警察から流されますので、これはつまり、「被疑者は会社役員と言っているが、警察は疑っている」という意味になります。なかには、「自称無職」なんていうのもあります。それなりの地位にいる人など、勤め先を知られたくない人が、「無職」と自己申告する場合があるのです。警察からの情報提供による報道の場合、職業に「飲食店勤務」というのもあります。こちらは、犯人だけでなく被害者の職業としてもよく出てきます。これは、本当に「飲食店」に勤めている人もいますが、風俗店勤務の人の場合も、この表記にするというのが約束事なんです。これなんて、「他称」飲食店勤務と、正しく表示して欲しいものです。

ということで、弁護士の「自称」です。「国際政治学者」の場合は、自分に自信があれば名乗ることも法律上問題ありませんが、弁護士の場合「自称」は大問題です。司法試験に合格して、1年間の司法修習を受けて、弁護士会(ギルド?)に加入して初めて、「弁護士」と名乗ることが許されます。更に弁護士の場合、自分の専門分野を「自称」することについても、色々と規制があります。私の場合、「ニュースレター弁護士」と「自称」して良いのか、悩ましいところです。

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◇ 弁護士より一言

うちは「独立道場」ということでやっています。みんな得意分野を「自称」して、それがうまくいってから独立していったのです。始めは「自称」かもしれませんが、そうするとその関連の仕事が沢山来て、本人の勉強と相まって、本当に実力が付いて来るのです。娘にその話をしたら、「それならパパは、『気前の良いお父さん』を自称してね!」と言われちゃいました。
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