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2018年07月01日発行第224号”弁護士の貞観政要”

平成30年 7月 1日(日):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成30年7月1日発行第224号「弁護士の貞観政要」をお届けします。

○唐の太宗や貞観政要などの言葉は、大昔、世界史で習った記憶がありますが、中身については忘却の彼方で、大山先生のニュースレターを読んで、先ずウィキペディアで概要を確認します。いちいち教科書・参考書など書物を開かずともPCのネットで概要を知ることができるホントに便利な時代になりました。

○本人の考える主観は、実は、大変視野が狭く、一方的で、間違った、或いは、間違いとは言えなくても、的外れな場合が良くあります。複数の目を通して、実は別な見方があり、別な考え方があることを知り、幅広く検討することが大事です。このことを自覚しても、なかなか実践できないのが人間の常です。

○太宗は、「君主が過ちを知ろうと思えば必ず忠臣の諫言が必要である。君主がもし自らを賢者と思えば、臣下は君主の過ちを正すことはない。国を滅ぼしたくないと思っても、それは叶わない。」と言ったそうです。「君主」なんて立場でなくても、自分は賢くなったなんて思ったらお終いと自覚して、人間死ぬまで、反省と勉強を繰り返すべきと、大山ニュースレターを読んで痛感しました。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の貞観政要


貞観政要(じょうがんせいよう)は、今から1400年位前に書かれた本ですね。大唐帝国を事実上作った太宗皇帝が、臣下達と政治について語った内容をまとめたものです。昔から、中国はもとより日本でも、帝王学の教科書とされてきました。とても良い話が、沢山あります。帝王の業で、創業と守成のどちらが困難と考えるか?なんて議論がされています。当たり前のことですが、どちらも大変ですよね。

しかし現代でも、会社を創業し、一時はとてもうまくいったけれども、最後には潰してしまったなんて、よくある話です。貞観政要の中で太宗も、「これからは守成をしっかりやろう」と言ってました。確かに、既に創業してしまった人へのアドバイスとしては、「創業は易く守成は難し」になります。わ、私も、弱小法律事務所ですが、創業した以上、しっかりと守成もしていきます!

太宗が、自分の得意だと思っていた弓矢について語る話も有名です。太宗は弓を得意として、馬上天下を取りました。しかし天下を取った後、自分の弓術を名人に見せたところ、欠点だらけだと分かったそうです。偉大な太宗はそこから、「得意だと思っていた弓でさえそうなら、何も知らない政治については、もっと謙虚に学ばないといけない。」と反省したというエピソードです。法律事務所を開いただけで、なんとなく経営できていたつもりの私など、言葉もないのです。

そんなに凄い太宗ですが、しようもない質問を臣下にするときもあります。「自分の政治についてどう思うか?」なんて聞いたんです。この質問は、現代社会の、「私って、何歳に見える?」というのと同じ質問ですね。答える方は、地雷を踏むのではと緊張しながら、思った年齢から10歳引いて回答しちゃいます。太宗の場合も、臣下達はみんなベタ褒めしたんですが、一人だけ注文を付けた人がいます。「陛下は、正直に進言するように言っておきながら、厳しい進言をしてくる人がいると、その進言の小さな欠点まで問い詰める。それでは誰も進言などしなくなります!」

「部下と張り合う人は管理職失格」なんて、現代の会社でも言われていますね。この忠告を聞いて、太宗は深く反省したとのことです。「パパは注意すると機嫌が悪くなるから、何も言えなくなる。」と、妻と娘に言われ続けている私とは、大違いです。ううう。。。

そんな中、太宗に「部下が本気で忠告しているのか、自分の出世のために忠告しているのか、試す方法があります」なんて進言してきた人の話が、貞観政要にありました。忠告を聞いたら、先ず怒った振りをするんだそうです。それでも忠告をする人が、本当の忠臣だということです。こういうアドバイス、たしかマキャベリの「君主論」にもありました。マキャベリの場合は、とても良いやり方として推薦していたのですが、太宗の見解は違います。

「ある意味もっともな見解だと思う。しかし、臣下に誠実な対応を求めるのならば、まずは君主が誠実でなければならない。嘘をついて臣下を試すようなことはできない。」とのことでした。その一方、この進言をした人には、良い進言に対する褒美ということで、金銭を与えて、帰したそうです。さすがの器量と、感心せざるを得ないのです!

私は何も、太宗の高みまで登ろうとは思いません。しかし、せめて家族や、事務所の若手弁護士に注意されたら、素直に反省できるところまでは、帝王学を極めたいと思ったのでした。(で、できるかな。。。)

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◇ 弁護士より一言

普段はジャンクフードを買ってくれない妻が、義母たちと一泊旅行に行きました。そこで中学1年の息子の希望で、新発売のペヤング「超超超大盛GIGAMAX」というのを一緒に食べたのです。総カロリー2142kcalで、「1日1食までにして下さい。カロリー摂取基準を上回る恐れがあります。」なんて、煽るような注意書が付いている、凄いカップ焼きそばなんです。「こういうのを食べるのは、男のロマンだね。」と息子は大喜びでした。こんなジャンクフードを食べたことが、いずれは妻にもばれるでしょうけど、君主の度量で怒らないで欲しいと思ったのでした。。。
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