| 旧TOP ： ホーム > 事務所 > 司法試験受験日記 > |   |
| 平成30年 2月20日(火):初稿 |
|
○私は幼児時代から大学時代まで続いた右耳慢性中耳炎(化膿性中耳炎)・左耳滲出性中耳炎のため難聴が進行し、５０歳の時第６級の身体障害者手帳を交付されています。この両耳の中耳炎は、昭和５１年７月１９日、２５歳の直前でしたが、当時東北労災病院耳鼻科部長だった湯浅涼先生の右耳鼓室形成手術を受け、その後は、４０年以上全く両耳とも中耳炎は再発しなくなりました。 ○湯浅涼先生の手術でそれまで２０年以上苦しめられてきた両耳中耳炎から完全に解放されました。その意味で現在将監耳鼻科院長をされている湯浅涼先生は、私の大恩人です。その手術の１年後昭和５２年、４回目の挑戦でようやく司法試験に合格し、受験勉強からも解放されました。その手術時の日記が残されていました。手術後、オシッコを出したくても出せない辛さが蘇ってきました(^^;)。以下、備忘録です。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 昭和５１年８月２０日 曇りときどき晴れ 手術後、今日で１ヶ月と１日経過した。手術したのは昭和５１年７月１９日。２５歳の誕生日の半月前。手術後１ヶ月を経た現在、聴力は手術前よりやや良くなっている。しかし、耳鳴りは、手術前よりまだ大きいが、それ程気にならない。悪いところは全て綺麗に取ったので、これより悪くはなるまいという安心感があるからだ。精神的には楽になった。 入院生活は、当初予想していたより快適だった。やはり大きな病院は良い。まず医師が良い。丁寧だ。看護婦も良い。数も多い。しかも親切で感じが良い人が多い。中には美人もいる。入院患者も良かった。一緒に同じ部屋(７０２号室)に入室したＯ氏。彼の奥さんは良い人だ。嫁さんにするならあんな感じの人が良い。 隣のベッドにいたＩ氏。話し好きの社交家だ。入院生活が退屈でなかったのは彼によるところが大きい。Ｓのじいちゃんとおばあちゃん。面白い人達だった。高校生のＥ君。話し好きで俺とは気があった。よく一緒にテニスを見に行った。素直な良い高校生だ。隣室のＴちゃん。まだ３歳。それでも俺と同じ慢性中耳炎の手術。とっても可愛らしく、とっても元気があって人気者だった。その他重病のＫ氏、Ｗ氏、みな良い人だった。 手術は７月１９日の午後だった。午後１時頃病室で全身麻酔注射。これは痛いの何の。そして点滴開始し、午後１時半に手術室へ入り、湯浅部長によって手術開始。まず、手術部位耳介の後ろの消毒。こん棒みたいなものでゴシゴシこする。これも痛い。次に局部麻酔注射。今度はそれ程痛まない。１０分程して耳介の後ろの骨にメスが入った。麻酔が効いて痛みは殆ど感じなかった。 ひどかったのはそれからだ。ドリルのようなもので骨を削る。ジーンジーンと頭全体に響く。ときおり刺すような痛みが走る。削った骨を吸引器で吸入。これがかなり痛い。ずいぶん「痛い～」と叫んだが、だんだん声にならなくなった。もうろうとした状態で湯浅部長の声を聞いた。「２時間経ってこれだけか。サッパリ進まないなー」。大きな不安に襲われたが、その後、２～３０分して完全に寝てしまったようだ。宇宙の果てに放りだされたような嫌な夢を見た。 手術室を出たのは、午後６時１５分頃だったという。耳道が曲がっているため３時間の予定が倍近くかかったとのこと。勿論、手術室を出た時は昏睡状態で全く判らない。午後１１時頃「胸が苦しい」と声をあげたというが、全く記憶にない。翌午前２時頃目が覚め、オシッコがしたくなった。ベッドに寝たまま出そうとするが、これが苦しかった。オシッコを出そうとしても、なかなか出てくれない。膀胱は満タン状態で、出したくて、出したくて、仕方ないのに出ない。苦労に苦労して何とか出すと、次に胸が苦しくなってきて、吐気を催した。 点滴を続けているため午前４時頃に再び満タンとなった。今度こそさっぱり出ない。横になったままのせいか、いくら力んでもオシッコは出ない。こんな苦しみは初めてだ。当直の看護婦さんがきて管を通そうかと言う。幸いその看護婦さんが管の通し方を知らないというので、難を免れた。午前５時頃になると何とか起き上がれたので、便所に行った。立って自由にオシッコを出すことが如何に快適かを痛感した。 手術直後の耳鳴りは大きかった。炎症で耳だれが出ているときよりズッと大きかった。手術後３日間はガンガン鳴り響き、不安で堪らなかった。それが、４日目頃から少しずつ小さくなり始めた。しかし、それでも手術前よりはかなり大きい耳鳴りが、手術後１ヶ月たった今でも続き、今後どうなるか、不安が続いている。 以上：1,898文字
|
