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平成24年 2月29日(水):初稿 |
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作 「贋金つくり」といっても、アンドレ・ジイドではないのです。(「誰もそんなこと思わないぞ!」と言われそうですが、私の場合、隠そう隠そうとしても、教養があふれ出てきてしまうのです。)日本の刑法でいうところの、通貨偽造罪というやつですね。少し余談ですが、この通貨偽造という犯罪は、非常に重い罪なんです。もともと、贋金を作るなんていうのは、それなりの組織と技術と覚悟を持ったプロの犯罪者でしたし、結果も非常に重大でしたから、それに対する刑罰が重くて当然だったわけです。 ところが現在では、コピー機が発達してますから、普通の人が軽い気持ちでコピーするだけで、簡単に偽造紙幣が出来てしまいます。ところが、法律の方は変わっていませんから、刑罰は非常に重くなります。 盗みや詐欺の場合、数十万円盗んだり騙したりしても、前科が無い場合まず執行猶予が付きます。これに対して通貨偽装の場合、1万円札を5枚ほどコピーして、使おうとしたけど疑われたので使用できなかったなんていう事件でも、即実刑になります。(後記数年前、私が実際に弁護したときはそうでしたが、最近は執行猶予判決も出るようです。)この辺の量刑は、国民の一般常識と照らしてどうかな、という気はしますが、それが現在の日本の法律なのです。 余談が続いて恐縮ですが、贋金を作る話しは、かの有名な「金持ち父さん貧乏父さん」にもでてきます。子供のときに、お金持ちになるためには、お金を自分で作れば良いのだと考えたロバート・キヨサキが、金属を溶かしてお金の鋳型に入れ込んで、贋金を作ろうとしたエピソードがありました。この「贋金つくり」の試みは失敗しますが、その後成長したロバート・キヨサキは、合法的に贋金を作る方法があることに気が付くわけです。 お札というのは、要はただの紙に一定の模様を印刷したものです。それを皆が、価値があると思うので価値がついてきます。お札と同じように、印刷するだけで、皆がお金と同じように価値があると認めてくれるものを作ることができれば、まさに「贋金」を合法的に作ったことになるというのが、ロバート・キヨサキの考えですね。こんな風に考えれば、タイガー・ウッズのブロマイドは偽札です。ポケモンカードも偽札です。さらに、企業の発行する株券も回数券も、さらには電子マネーも贋金になりますね。 この辺でやっと本題にたどり着けました。こういう意味での「贋金」は企業活動、企業戦略にとって重要です。しかし、一歩間違えると非常に大きな問題も生じます。 というわけでして、次回は企業が合法的に作る贋金と、それに対する法律的な問題点について考えてみたいと思います。(それほどたいそうな話しでもないんですが、一応ご期待を。) ******************************************* ◇弁護士より一言 うちには、この4月から小学校3年生と2年生になる娘がいます。姉の方は大変臆病で、テレビなどでお化けの話しなど出てくると、「怖い、怖い。」と大騒ぎします。先日も、姉の方が、「テレビでとても怖い話を見たので、夜一人でトイレに行くのが怖い。」なんて言います。どんな話しなのかと聞いてみますと、夜、鏡の中から人が出てくる話だそうです。 「そんなの怖くないよ。」と安心させたのですが、今度は妹の方が、テレビでとても怖い話しを見たと言い出しました。 「何だ、お前まで。どんな話しか言ってごらん。」と聞いたところ、「テレビで女の子が、『お父さんがガンになった。』って言ってたの。」ひぇー、こ、これは怖い。 励みになりますので、引き続きコメントや質問等頂けましたら幸いです。 (2009年5月1日第4号) 以上:1,467文字
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