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平成12年 6月 1日(木):初稿 平成17年 1月 8日(土):更新 |
■相手の心を読むことの難しさ 最近離婚相談が益々増えており、市の無料相談等での相談は第1に借金整理、第2に離婚問題で不倫を原因とする離婚問題も増加の一途です。 離婚相談をして感じることは、特に夫側において妻の心情に対する配慮のなさです。その傾向は年代が高くなるほど顕著になります。九二号の男性部会だよりに子育てお父さん急増中との記事がありました。私も、年代が下がるほど男は仕事、女は家事との役割分担に拘らず夫婦共同作業で家庭を営む観念が強くなっていると感じております。 気になったのはその記事の中で、専業主婦の妻の「夫が育児に協力しない」と言う妻の不満をおかしいと疑問視している点でした。確かに一般論では、専業主婦は育児を分担するのは当然で、仕事に忙しい夫に育児の協力を求めるのはおかしいとの疑問はもっともです。 しかし、筆者の方には大変恐縮ですが、具体的にこのような不満を持つ妻がいた場合、一般論でおかしいと言っても殆ど解決にはならず、むしろ事態を悪化させる可能性が大きいでしょう。 私の家庭学校論の立場では、一般論では不満を持つのはおかしいのに現実に不満を述べていると言うことを問題視します。このような不満を述べる妻の心情は、「育児に協力しない」ことに対する不満と言うより、「夫自身」に対する不満と見ます。その不満は、共稼ぎの妻が夫に「育児の協力をしない」と不満を述べる程度より更に大きいと見ます。 ですから、本来ならその点に不満を述べる資格のない専業主婦の妻が「育児に協力しない」と不満を述べた場合、その不満の本質はどこにあるかより慎重に見極める作業が必要になります。勿論、これは夫が夫婦関係良好を維持したいと言う気持があればの話です。 妻の心はどうでも良い、そんな我が儘な妻とはどうなっても構わないと考えるのであれば、一般論で反論することを反対はしませんが。 実は私自身、里帰りしていた妻が子供が生まれて一時私との居宅に戻ったとき、妻から子供が夜泣きして大変なのに貴方は全然一緒に起きて協力してくれないと文句を言われたことがあります。 それに対し、俺は昼間忙しい仕事をして疲れている、お前は専業主婦で育児はお前の担当だから夜泣きしてもお前が子供の世話をするのが当然だと言うような反論をしました。当時それが常識であると確信しておりましたが、結果は結婚生活の破綻でした。 夜泣きする子供の世話を協力してくれないと言う不満は、実はそれに象徴される私自身に対する不満だったと気付いたのは離婚後、しばらくしてからでした。 このように紛争の渦中にあると相手の心を読むことは至難の業になります。 ■最後に 今回は第30回の連載ですが、これまで私の拙い原稿にお付き合い頂き有り難うございました。 私の家庭学校論、家庭戦場論、相談される方に、頭で伝える場合はと違って文章で言いたいことを伝えるのは難しいと実感した次第です。まだまだお伝えしたいこともあるのですが、最近、考えがまとまらずいささかマンネリ化を感じ、この辺で一旦終了して機会があれば新たな形式で家族問題についての私の考えをお伝えしたいと思います。 このような原稿を発表してくれる機会を与えて頂いた佐藤さん始めとするアンカップリング協会の方々、又飽きずに読んで頂いた読者の方々には心より感謝申し上げます。 (平成14年11月 1日記) 以上:1,375文字
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